本ブログでもしばしば触れているのですが、私の実家では稲を育てているため、普段は両親から送ってもらった米を食べています。
※私もしばしば手伝いに行くのですが、コロナウイルスの感染状況が終息し、満足して手伝えるようになるのはいつになることやら。。。
そんな家庭で育ったため「米を買う」こと自体がほとんどなかったのですが、実家から離れて暮らしていると米が尽きることもあるため、現在では稀に購入することもあります。陳列された米を眺めていると「無洗米」と書かれた賞品をよく見かけるのですが、米を研がなくても良いなんてすごく魅力的ですよね。私も初めて見かけた時は目を疑ってしまいました。
そんな無洗米ですが、一般的な精白米(白米)とはどのような違いがあるのでしょうか?
無洗米とは?
無洗米とは、その名の通り研ぎ洗いせず水を加えるだけで炊飯できるよう加工された米のことです。無洗米が登場したのは1991年のことで、実はそれなりに長い歴史を持っています。
一般的な米(精白米)の表面には「肌ぬか」と呼ばれる粘着性のぬかが付着しており、炊飯の際は事前に肌ぬかを洗い落とす必要がありました(この洗い落とす作業こそが研ぎ洗いです)。しかしながら、無洗米は肌ぬかが予め取り除かれているため研ぎ洗いを必要としません。
無洗米と精白米の違いは?
先程も少し触れましたが、無洗米と精白米(白米)の違いは「肌ぬか」の有無です。もう少し細かく記載すると、以下のような違いがあります。したがって無洗米は1粒あたりの大きさが小さくなる(米1合あたりの粒数が多くなる)ため、精白米などに比べると炊飯の際に必要な水の量も若干多くなります。
◎籾(もみ)
・収穫した状態の稲
◎玄米
・籾から籾殻を取り除いたもの
◎精白米
・玄米から胚芽とぬかを取り除いたもの
・但し、肌ぬかは残っている状態
◎無洗米
・精白米から肌ぬかを取り除いたもの
肌ぬかを取り除く方法としては以下のようなものがあります(この過程を無洗米加工と呼ぶこともあります)。無洗米加工を経れば「無洗米」として販売できるため、無洗米として定義される米の銘柄に指定はありません。
◎ヌカ式
・空気・水以外のものを添加せず、肌ぬかが持つ粘着性を用いて取り除く方法
◎水洗い式
・肌ぬかを水で洗い落としから乾燥させる方法
・工場で予め研ぎ洗いしている、とも言える
◎タピオカ式
・肌ぬかを水で洗い落とした時に生じるとぎ汁を、タピオカ澱粉で吸着させる方法
◎研磨式
・ブラシや不織布、研磨機などで肌ぬかを落とす方法
なお、最近では玄米や分つき米(玄米から一部の胚芽・ぬかを取り除いた米)、胚芽米(特殊な加工により胚芽を残した米)なども無洗米加工を経ることで「無洗米」として販売されています。何だか話がややこしくなってきましたね…。簡単のため、無洗米は「玄米/分つき米/胚芽米/精白米を問わず、無洗米加工を経た米」くらいで覚えておくと良いのかもしれません。
無洗米の方が栄養価が高いって本当?
無洗米のメリットは何といっても「米を研ぎ洗いせずに炊ける手軽さ」ですが、その他にも以下のようなメリットがあります。
・炊飯の際に用いる水が節約できる
・とぎ汁が出ないため環境に優しい
また「研ぎ洗いによる栄養成分の流出を防げる」という点もメリットとして挙げられます。無洗米は肌ぬかなどを取り除いた状態であるため、どうしても栄養価が低いイメージを持ってしまうのですが…研ぎ洗いによる水溶性ビタミン(ビタミンB1、ナイアシンなど)の流出を防いでいるため実は栄養価が高いのだそうです。とはいえ、研ぎ洗いにより流出する栄養価はごく僅かであるため、単純に栄養価を求めるのでたれば玄米や分つき米、胚芽米を選ぶのが無難です。
追伸:
投稿後に気付いたのですが、本記事が節目の700記事目でした。