先週末、少し遠出をして箱根湿性花園まで行ってきました。当日はよく晴れており、たくさんの花を見ることができました。今年1月より「全ての頭文字の花の写真を撮影することはできるのか?」という長期企画に挑戦していますが、この日のおかげで一気に写真が揃いました。
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そんな中、今回私が目当てにしていた花の一つがカタクリです。カタクリの花を生で見るのは7〜8年振りくらいかもしれません。
カタクリといえば「片栗粉」を連想される方もいらっしゃるかと思いますが、この花からあの白い粉ができるとは少し考えづらい部分があります。実際のところ、片栗粉の原料は本当にカタクリなのでしょうか?
カタクリの概要
科・属名:ユリ科カタクリ属
種別:多年草
花色:赤紫
花期:3〜6月
原産:日本、朝鮮半島など
別名:カタカゴ(堅香子)、カタコなど
花言葉:初恋、寂しさに耐えるなど
◎特徴:
日本や朝鮮半島を原産とする多年草で、北海道〜九州の山林などで見かけることができます。球根植物の一つで、鱗茎の形状が栗の片割れに見えることから片栗=カタクリと名付けられたようです(諸説あります)。また花の見た目が傾いた籠のように見えることから、以前はカタカゴとも呼ばれていました。
近年は山林の手入れが行き届かなくなったことや種から開花までに8〜9年を要することなどからその数を減らし、多くの地域で絶滅危惧種に指定されています。
カタクリは片栗粉の原料なの?
その名のとおり、片栗粉は元々カタクリの鱗茎(球根)を原料としています。鱗茎をすり潰して水に溶かし、沈んだデンプンから不純物を取り除いて乾燥させることで片栗粉が完成します。江戸時代には高級品として扱われ、江戸幕府への献上品としても用いられていたほどです。
しかしながら、明治時代以降はカタクリの自生数が減少したことなどにより、ほとんど生産されなくなりました。
近年はジャガイモが主流
片栗粉といえば現在でも多くの料理に使われていますが、私達が使用しているものは何を原料としているのでしょうか。
その答えはジャガイモ(馬鈴薯)です。カタクリの自生数が減った明治時代以降、北海道の開拓が進みジャガイモが多く生産されるようになりました。ジャガイモは安価なうえ、カタクリから抽出したデンプンと成分がほとんど変わらないことから、いつしかカタクリに取って変わったのだそうです。そのため販売されている商品を見ると原材料欄に「馬鈴薯澱粉」と記載されていますが、現在でも「片栗粉」という名称はそのまま残っています。
カタクリ(ポット植え)