私は昔から草花が好きだったのですが、子供の頃は特に野草に興味を持っていました。散歩に連れていってもらった時、よく両親に野草の名前を聞いていたものです。
(※その時、野草の名前を即答できていた両親もすごいなー、とつくづく感じています)
野草の名前を挙げていて感じるのが、「カラス」「スズメ」の名を持つものがやたら多いということ。カラスウリ、スズメノエンドウ、カラスビシャク、スズメノヤリ…などなど。
そもそも、何故カラスとスズメが植物の名前によく使われるのでしょうか??
カラス・スズメの名が付く理由
日本人にとって、カラスとスズメは馴染みのある鳥ですよね。そして、両者大きさを比較すると、カラスの方が大きく、スズメの方が小さいことは皆さんご存知かと思います。
実は、これこそが名前の由来なんだそうです。
同じ仲間の植物のうち、
花や実が相対的に大きい種類には「カラス」、
花や実が相対的に小さい種類には「スズメ」
の名が付けられたと言われています。
では、実際にカラス・スズメの名の付く植物を比較してみましょう。
カラスウリ・スズメウリ
カラスウリ
カラスウリは、直径7〜10cm程度の花を咲かせ、直径5〜7cm程度の実をつけます。花は白くレース状で、夏の夜に開花します。花好きの方であれば、写真に収めたことのある方もいるのではないでしょうか。
私自身も何度か撮影しているのですが、なかなかうまく撮れません。個人的には綺麗に撮影するのが難しい花だと思っています。。。
その後、秋にあるの朱色の実をつけます。実が大きいので、遠くからでもよく目立ちます。実の中には、少し変わった形の種が詰まっています。
スズメウリ
スズメウリは、直径6mm程度の花を咲かせ、直径1〜2cm程度の実をつけます。確かに、カラスウリに比べるとかなり小ぶりですね。花は白色、実ははじめ緑色で、熟すと白っぽい色になります。
また、グリーンカーテンなどに用いられるオキナワスズメウリという品種もあります。こちらはスイカのような縞模様のある実をつけ、熟すと鮮やかな赤色なります。直径は2cm程度で、こちらもカラスウリに比べると小ぶりです。
カラスノエンドウ・スズメノエンドウ
カラスノエンドウ
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)は、直径1〜2cm程度の花を咲かせ、長さ3〜5cm程度の実をつけます。春になると赤紫色の鮮やかな花を咲かせるため、見かけたことのある方が多いのではないでしょうか。
ちなみに、カラスノエンドウの実は食用にもなります。
スズメノエンドウ
スズメノエンドウは、直径3〜4mm程度の花を咲かせ、長さ1cm程度の実をつけます。やはりこちらも、カラスノエンドウよりは小ぶりですね。
葉の形はカラスノエンドウによく似ているのですが、花は薄紫色のため目立たず、実も小さいため…ほとんど目に留まることはないのではないでしょうか。
カラスノエンドウと同様、スズメノエンドウの実も食用になるそうです。
カスマグサ
カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間にあたるため、カラスとスズメの頭文字を取ってカスマグサと呼ばれるようになったそうです。花は直径5mm程度、実は長さ1〜1.5cm程度です。花色も両者の中間で、スズメノエンドウよりは濃く、カラスノエンドウよりは薄い紫色です。
全国に分布していますが、数が少ないためあまり見かけることはありません。
おわりに
先日は「イヌ」サフランの名前の由来について書きましたが、カラス・スズメは由来が更に明確でしたね。
野山で見かけることがあれば、「カラスとスズメ」の大きさを比べてみてはいかがでしょうか。