10月も下旬に差し掛かったところですが、近所でオシロイバナが咲いているのを見かけました。オシロイバナといえば、理科の授業で色水を作ったり、切った枝を水に挿して根を生やしたりしたのをよく覚えています。
また、オシロイバナで連想されるものとしては「化粧」があります。昔は種に含まれる白い粉を化粧に使っていた、みたいな話をよく耳にするのですが…この話は本当なのでしょうか?
オシロイバナの概要
科・属名:オシロイバナ科オシロイバナ属
種別:多年草(一年草として扱われることもあり)
花色:ピンク、赤、黄、白など
花期:7〜9月
原産:中南米
別名:ユウゲショウ(夕化粧)など
花言葉:臆病、内気、恋を疑うなど
◎特徴:
江戸時代に日本へ渡来した植物で、現在では各地に分布しています。関東以西では冬になっても地下の根が残るため多年草として扱われますが、一年草として販売されている地域もあります。
オシロイバナの花は夕方頃に咲き、夜行性の虫を呼び寄せます。一日花のため、翌朝にはしぼんでしまいます。
昔は化粧に使われていた!?
オシロイバナという名前の由来は、種の中に含まれる胚乳がおしろい(白粉)に似た白い粉状であることだと言われています。白粉とは顔や首に塗って肌を色白に見せるための化粧品で、舞妓さんなどを思い浮かべるとイメージしやすいかと思います。
ということは、昔はオシロイバナの胚乳が白粉として使われていた!?と思ってしまいがちですが、残念ながらその答えはNOのようです。オシロイバナの胚乳は子供達の化粧遊び用として用いられることはありますが、化粧品として用いられることはほとんどありませんでした。大人の女性が使用する白粉には軽粉・鉛白・粘土・貝殻などが用いられていました。
▲オシロイバナの種
オシロイバナには毒がある!
子供達の遊び道具としても用いられるほど親しみのあるオシロイバナですが、実は有毒成分を持つ列記とした毒草です。特に、根や種にはトリゴネリンと呼ばれる有毒成分が多く含まれており、摂取すると嘔吐・腹痛・下痢などの症状を引き起こします。トリゴネリンは根や種だけではなく、オシロイバナ全草に含まれます。
さて、ここで思い出しておきたいのが先程取り上げた化粧遊びです。トリゴネリンを多量に含む種(胚乳)を肌に塗っても問題ないのか…?と思ってしまいますが、肌に塗る分には問題ないようです。但し、口に入れてしまうと嘔吐・腹痛・下痢などを引き起こしかねないので、化粧遊びをする際は誤って口に入れてしまわないよう注意が必要です。