世間はクリスマスムードですが、今回は敢えて正月に関連した話題です。GW・お盆に引き続き今年の年末年始も帰省を見送ることにしたのですが、毎年私の実家では自宅でついた餅を使って鏡餅を作っています。今年は息子達にも見せてあげたかったのですが、今回ばかりは仕方ないですね。
(※ウラジロの葉の向きが逆のような気もしますが大目に見てやってください。。。本来は裏側の白っぽい面を上に向けるようです)
その時に欠かせないのが、今回のテーマでもあるウラジロです。上の写真では鏡餅の下に敷いているのですが、しめ縄にも用いられることが多く、正月飾りには欠かせない葉の一つとも言えます。ただ、ウラジロの葉の見栄えが良いのはわかるのですが、正直他のシダ植物を使っても大差ないような気がしないでもありません。
そこで、今回は正月飾りにウラジロが使われるようになった理由を取り上げてみたいと思います。
ウラジロの概要
科・属名:ウラジロ科ウラジロ属
種別:多年草
花色:─
花期:─
原産:日本、熱帯アジア
別名:シダ、ホナガ(穂長)、ヤマクサ(山草)など
花言葉:無限に、魅惑、曖昧など
◎特徴:
シダ植物の一種で、葉の裏側が白っぽいことからその名が付けられました。シダ植物の中では比較的日当たりの良い場所を好み、日本では本州中部以南に分布しています。常緑性で、毎年対になった葉(※)を2枚ずつ増やしていきます。
日本では2mほどの高さまでしか成長しませんが、熱帯域では10mを超えることもあり、つる植物のような扱いをされる場合もあります。また、シダ植物の中では栽培が難しいことでも知られています。
※厳密には「葉」とは少し異なる器官のようですが、ここでは便宜上「葉」としています。
正月飾りにウラジロが使われるのはなぜ?
冒頭でも触れましたが、鏡餅やしめ縄などの正月飾りにはウラジロが欠かせません。ウラジロは昔から縁起物として扱われることが多く、主に以下の理由から正月飾りに用いられるようになったようです。
・葉の裏側が白いことから「清らかな心」の象徴とされた
・2枚の葉が対になっていることから夫婦円満の象徴とされ、(葉の裏側のように)共に白髪になるまで一緒にいようという願いが込められた
・群がって生育するため先祖の霊魂が宿っているとされた
・次々と新しい葉が伸びることから、長く栄えることの象徴とされた など
ウラジロとコシダの違い
ウラジロによく似た植物として、同じウラジロ科のコシダがよく挙げられます。コシダも葉の裏側が白いことから、ウラジロと間違われることがしばしばあります。私も小さい頃、散歩道で見つけたコシダをウラジロと勘違いし、誤って家に持って帰ってしまったことがあります。
ウラジロとコシダの違いは主に以下の2点です。分布域も似ているため、見間違いには気を付けましょう。
①コシダの葉はウラジロに比べて固く、表面に艶がある
②ウラジロの葉は1回だけ2分岐するのに対し、コシダの葉は何度も2分岐する
▲コシダの葉