秋本番になったからかもしれませんが、最近になりフルーツを食べる機会が増えました。先日はいただき物のゴールドキウイを食べたのですが、既に熟していたこともありとても甘くて美味しかったです。
私も妻も長男もキウイは大好きなのですが、食べている時に口の中がチクチクすることがあります。当初は「皮の産毛が付いてたのかな?」と思っていたのですが…それらしきものが見当たらないため、別のところに原因があるような気がしています。パイナップルでも感じることがあるこの現象、一体何が原因なのでしょうか?
キウイやパイナップルを食べると口の中がチクチクするのはなぜ?
キウイやパイナップルによって口の中がチクチクするのは、タンパク質分解酵素の働きによるものです。キウイにはアクチニジン、パイナップルにはブロメリン(ブロメライン)と呼ばれるタンパク質分解酵素がそれぞれ含まれています。これらの分解酵素が口の中に入り込むことにより、口の中の粘膜と反応してチクチク感じるようになります。
なお、この「チクチク」によって粘膜が溶け出してしまうのですが、唾液によってすぐ元の状態に戻るため身体への影響はありません。
「チクチク」を感じる他の果物
食べることによって口の中がチクチクする果物は他にも存在します。パイナップルやキウイほどではありませんが、以下の果物にもタンパク質分解酵素が含まれており、稀に「チクチク」を感じることがあります。
・パパイヤ→分解酵素「パパイン」を持つ
・イチジク→分解酵素「フィシン」を持つ
・メロン→分解酵素「ククミシン」を持つ
「チクチク」を防ぐためには?
キウイやパイナップルを食べた時のチクチクを防ぐ方法はいくつか挙げられますが、ここでは代表的な2つについてご紹介したいと思います。
①加熱する
タンパク質分解酵素は熱に弱いため、加熱処理を行うことで酵素の働きを抑えることができます。具体的には、ジャムやシロップなどに加工する方法が挙げられます。
また、ゼリーに使われるゼラチンはたんぱく質でできているため、生の果物をそのままゼリーに加工するとうまく固まらないことがあります(※タンパク質分解酵素によりゼラチンが溶け出してしまうため)。この場合、加熱処理した果物を使うことで綺麗に固まったゼリーを作ることができます。
さらに、タンパク質分解酵素には肉を柔らかくする効果もあるため、肉料理に使われることもあります。代表的な料理としては酢豚が挙げられますが、パイナップルにより肉が柔らかくなり、かつ加熱処理によってピリピリを感じくなるため「一石二鳥」と言えるかもしれません。
(※好き嫌いは結構分かれそうですが。。。)
②乳製品と一緒に食べる
乳製品と一緒に食べることで溶け出したタンパク質がすぐに補填されるため、あまりピリピリを感じなくなります。店頭でよくフルーツヨーグルトを見かけますが、実はとても合理的な食べ合わせだったりします。
ほかにも、果物を食べてすぐに牛乳を飲むことなども効果的です。