(※本記事にはアブラムシの写真を掲載しています。ご容赦のほどよろしくお願いいたします。)
長男が好んで食べることもあり、我が家では毎年空豆を育てています。今シーズンは種まきが遅れてしまったのですが、一部では花が咲き終わり、ようやくさやが成長し始めました。
この写真だけ見ればあまり気になるところはないのですが、茎の先端に目を移すと数多くのアブラムシが付着しています。この時期のソラマメにはよくアブラムシが付着するイメージですが、何か対策はないのでしょうか?
アブラムシとは
アブラムシは体長2〜4mmほどの昆虫で、日本には700種類以上が生息していると言われています。その多くは植物に寄生し、針を刺して栄養分を吸い取ります。アブラムシに寄生された植物は生育不良を起こし、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
アブラムシは春や秋に多く出現しますが、繁殖力が非常に高く、一度発生するとすぐにその数を増やします。また雌だけで卵を産むことができる(単為生殖)ため、駆除が非常に厄介です。
なお私の実家ではゴキブリのことを「アブラムシ」と呼ぶこともあるのですが、今回取り上げている虫はゴキブリとは全く異なります。
ソラマメにばかりアブラムシが付くのはなぜ?
(我が家だけかもしれませんが)この時期の家庭菜園を見回してみると、ソラマメにばかりアブラムシが付着しているような気がします。数ある野菜達の中で、なぜアブラムシはソラマメを好むのでしょうか?
少し調べてみたところ、どうやら「全てのアブラムシがソラマメを好む」わけではなく「ソラマメを好む特定のアブラムシが集まって繁殖している」と捉えるのが正解のようです。我が家で見かけたのは恐らくソラマメヒゲナガアブラムシと呼ばれる種類で、その名のとおりソラマメをはじめとしたマメ科の植物を好む性質があります。この時期で言えば、カラスノエンドウの茎などにも同じアブラムシが多く付着しています。
▲カラスノエンドウの花(参考)
アブラムシの駆除方法は?
アブラムシが付着した植物は見栄えが悪いほか、栄養分を吸い取られることで生育不良に繋がる恐れがあります。加えて伝染病(ソラマメ黄化病、ソラマメモザイク病など)を媒介するケースもあるため、見つけ次第直ちに駆除した方が良いと言えます。
駆除方法としてはアブラムシ向けの殺虫剤がまず挙げられますが、ここではそれ以外の方法をいくつかご紹介したいと思います。
①枝の先端を摘芯する
・もっとも手っ取り早い方法かもしれません。アブラムシは柔らかい茎や葉を好むため、枝を先端を摘芯するだけで寄り付きにくくなります。また枝の成長に使う養分を花や実に回し、生育を促進する効果もあります。
②キラキラテープを張り巡らす
・アブラムシは光り物を嫌う性質があるため、株の周辺にキラキラテープを張り巡らすことで寄り付きにくくすることができます。このほか、シルバーマルチ(銀色のマルチ)やアルミホイルを地面に敷くことも有効です。
③牛乳を散布する
・牛乳の膜は乾燥すると収縮するため、アブラムシに散布して放置するだけで窒素死させることができます。よく晴れて乾燥した日を選び、牛乳にスプレー散布するだけでにかなりの効果が得られます。なお、駆除後は臭いが残りやすいため水で洗い流すようにしましょう。
④木酢液を散布する
・木酢液には殺虫効果があるため、500〜1000倍程度に希釈してスプレー散布します。木酢液が濃すぎるとソラマメの株自体を傷めてしまうことがあるため、最初のうちは薄めに希釈して散布するようにしましょう。
⑤テープで丁寧に取り除く
・セロハンテープ等の粘着面を用いて、1箇所ずつアブラムシを駆除します。最も地道な方法ですが、駆除効果は目に見えて分かりやすいです。