果物や野菜(果菜)の甘さを示す指標として、よく「糖度」が用いられていますよね。最近ではスーパーの青果品売り場でも見かけることがあり、私達が品定めをする際の目安になっています。
そんな糖度について「何を表した指標?」と聞かれたら、きっと私は「この数字が大きいほど甘いんじゃないの?」くらいしか答えられない気がします。何だかモヤモヤするので、今回は糖度の定義について少し調べてみることにしました。
糖度とは?
糖度(とうど)とは、果物や野菜に含まれる糖分の割合を百分率で表した指標のことでBrix値(ぶりっくすち)とも呼ばれます。例えば果実の場合は果汁に含まれる糖分(果糖、ショ糖、ブドウ糖など)の含有量を示します。この数値が大きいほど糖分の割合が高いことを示し、最小値は0%、最大値は100%です。なお砂糖に関しても糖度を用いることがありますが、こちらはショ糖のみの含有率を表したものであり、果物や野菜の糖度とは少し定義が異なります。
一般的に、糖度は糖度計またはBrix値を用いて計測します。対象物に向かって近赤外線を放射し、糖分が特定の波長の光を吸収する原理を利用しています。
糖度が高くても甘いとは限らない!?
糖度は糖分の含有率で定義されるため、この数値が高いほど何となく甘いように感じてしまいます。ところが、実際のところはそうでもありません。例えばレモンの糖度は10%(いちごと同程度)、ニンニクの糖度は30〜40%(実はトップクラスで高い)と言われていますが、どちらも全く甘いイメージはないですよね。レモン・ニンニクともに糖分の含有率が高いのは間違いないのですが、実はそれ以上に他の成分の影響が大きく、せっかくの甘味がかき消されてしまっているのだそうです。レモンの場合はクエン酸(酸味)、ニンニクの場合は硫化アリル(苦味・辛味)が支配的となり、口に入れてもほとんど甘味を感じることはありません。
また、同じ糖分でもショ糖・果糖・ブドウ糖ではそれぞれ甘味の感じ方が異なるため、酸味などの影響が小さかったとしてもやはり「糖度が高い=甘い」とは必ずしもならないようです。
最も糖度が高い果物・野菜は?
最後に、果物・野菜の一般的な糖度を簡単にまとめてみました。品種にもよるため一概には言えませんが、果物の場合はバナナ、野菜の場合は先程取り上げたニンニクが最も高いと言われています。こうして並べてみると、ニンニクの糖度が際立って高いことがわかりますね…!
・30〜40%:ニンニク
・20%:カボチャ、バナナ
・18%:ぶどう
・16%:柿、サトウキビ
・15%:トウモロコシ、メロン、マンゴー
・14%:りんご、桃、キウイ、梨
・12%:みかん、スイカ
・10%:さつまいも、レモン、いちご
・8%:タマネギ
・7%:パプリカ
・6%:トマト、にんじん、梅
・5%:ナス、キャベツ、ジャガイモ
・3%:ピーマン、大根
(※上記は目安であり、実際にはもう少し幅があります)