先日家族で旅行に出かけた際、薄紫色の花を見かけました。特に手入れされている様子はなかったため、園芸品種ではなく野草の1つだと考えられます。
今回の野草は(花が少なくなる)今くらいの時期にもよく見かけるため、遠くから見てもよく目立ちます。見た目は菊によく似ている気がしますが、本当に菊の仲間なのでしょうか?
ヨメナの概要
冒頭で取り上げた「夏〜秋に咲く菊のような野草」の正体はヨメナだと考えられます。まずはヨメナの概要について簡単にご紹介したいと思います。
科・属名:キク科シオン属
種別:多年草
花色:薄紫、白
花期:7〜10月
原産:日本
別名:ハギナ、オハギ、ヨメガハギなど
花言葉:女性の愛情、隠れた美しさなど
◎特徴:
日本原産の多年草で、本州中部〜九州のやや湿った山野に分布しています。成長すると草丈が1mを超えることもあり、夏〜秋にかけて直径3cmほどの花を咲かせます。春先に伸びる若芽は食用となり、天ぷらや混ぜご飯などの材料として用いられています。
ヨメナは菊の仲間なのか?
ヨメナがキク科シオン属の植物なのに対して、一般的な菊はキク科キク属に属しています。そのため厳密には少し異なる性質を持ちますが、広い意味ではヨメナ・菊ともに同じ仲間ということになります。
なお日本では、キク科キク属(ノジギクなど)まやキク科シオン属(ヨメナなど)に属する野草全般を「野菊」と総称します。日本だけでも約350種類の野菊が自生しており、キク科シオン属に属する品種も多数あります。キク科シオン属の品種は見分けがとても難しく、これらを総称してヨメナと呼ぶこともあるのだそうです。
▲ノコンギク(キク科シオン属)と思われる花
名前の由来は?
ヨメナは漢字で「嫁菜」または「夜目菜」と表記します。それぞれの表記に対して由来があるとされるため、ヨメナに関しては名前の由来があまりはっきりとしていないようです。
①ヨメナ=嫁菜と表記する場合
→女性のように可愛らしい花を咲かせ、かつ葉が食用となるため。あるいは、女性が好んで摘んだ花だったため。
②ヨメナ=夜目菜と表記する場合
→畑の作物をネズミ(鼠(よめ))から守る目的で、畑の周辺にヨメナを植えてこちらを食べさせていたため。あるいは、若葉が美味でネズミも好んで食べるため。