先日訪れた公園にて、季節外れのフジバカマが咲いているのを見かけました。昔は実家にも植えられていましたが、しばらくするうちに枯れてしまったため、今回とても久し振りに見かけたような気がします。
さて、そんなフジバカマは近年個体数を減らしているようですが、「フジバカマのような花」であれば今でもしばしば見かけることがあります。実はフジバカマとは異なる植物であるため、今回はこちらも併せてご紹介したいと思います。
フジバカマの概要
科・属名:キク科ヒヨドリバナ属
種別:多年草
花色:薄紫
花期:8〜9月
原産:日本、中国
別名:ランソウ(蘭草)など
花言葉:あの日を思い出す、遅れ、ためらいなど
◎特徴:
秋の七草の一つで、日本では関東〜九州にかけて分布しています。万葉集にも登場し、現在でも秋の季語として知られています。
原産地はあまりはっきりしておらず、中国から帰化したという説、日本原産だという説など諸説あります。夏の終わり〜秋にかけて薄紫色(藤色)の花を咲かせ、かつ花弁が筒状で袴に似ていることからその名が付けられました。
フジバカマは準絶滅危惧種!?
フジバカマは万葉集や秋の七草に名前を連ねているほど、かつては私達の生活の身近にあった野草でした。しかしながら、土地整備や除草剤の使用などによって徐々に生育地を狭め、今となっては環境省の準絶滅危惧種に指定されています(※都道府県によっては、さらに上位の絶滅危惧種に位置付けられることもあります)。個体数の減少に伴い、フジバカマの自生個体を保護する動きも各地で見られています。
フジバカマに似た「ヒヨドリバナ」
先程触れた通り、フジバカマは準絶滅危惧種に指定されており各地で個体数を減らしています。とはいえ、今でも山野でフジバカマに似た花を見かけるような気がしますが…もしかしたらそれはヒヨドリバナかもしれません。
フジバカマとヒヨドリバナには主に以下のような違いがあります。花期であれば花色、それ以外の時期であれば葉の形を見ると比較的容易に見分けることができます。
◎フジバカマの特徴(写真左)
・花色は主に薄紫(藤色)
・葉先が3つに切り込まれている
・日本では関東〜九州に分布
・山野に生えているが生育地が限られている
◎ヒヨドリバナ(写真右)
・花色は主に白
・葉は細長く切り込みは入っていない
・日本では北海道〜九州に分布
・日当たりの良い山野でよく見かけられる