タイトルの通り、今回はローズヒップに関する話題です。ローズヒップと言えばハーブティーなどでもお馴染みのハーブの一種ですが、実はその詳細に関しては私自身もよく分かっていないのが現状です。「ローズ」と言うからにはバラの一部分であることは間違いなさそうですが、実際にはどんな品種のどの部分を指すのでしょうか?
ローズヒップとは?
ローズヒップとは、バラ科バラ属に属する植物全般の果実のことを指します。果実は赤、橙、赤紫色のものが多く、ビタミンCを豊富に含むことでも知られています。冒頭で取り上げたハーブティーのほか、ジャムやサプリメント、スキンケアなどにも活用されています。
なおローズヒップと聞くとお尻を連想してしまいそうですが…実はお尻とは全く関係ないのだそうです。ローズヒップのヒップ(hip)は「バラの実」を表す古英語であり、直訳すれば「ローズヒップ=バラのバラの実」ということになります。
品種の指定はあるの?
先程も触れた通り、ローズヒップはバラ科バラ属の果実全般を指します。そのためバラ科バラ属の植物であれば、品種関係なくローズヒップが収穫できるということになります。園芸用のバラはもちろんのこと、ノイバラ(日本では野薔薇としてもお馴染み)やハマナスの実も全てローズヒップと呼ぶことができます。
▲ハマナスの実(参考)
但し、食用として活用可能な品種は少し限られ、ローズヒップの生産にあたってはイヌバラが多く栽培されています。バラの原種の1つであるイヌバラは病害虫に強く、栽培しやすいことが関係しているのかもしれません。
▲イヌバラの実(参考)
イヌバラの概要
最後に、ローズヒップの原料として広く栽培されているイヌバラについて簡単にご紹介します。
科・属名:バラ科バラ属
種別:常緑低木
花色:ピンク、白
花期:5〜7月
原産:ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ
別名:ドッグローズ、ロサ・カニーナなど
花言葉:上品など
◎特徴:
ヨーロッパ・西アジア・北アフリカを原産とするつる性の常緑低木で、学名からロサ・カニーナと呼ばれることもあります。バラの原種の1つで、ヨーロッパでは接ぎ木の台木としても活用されています(※日本の場合、イヌバラではなくノイバラが採用されるケースが多いです)。
なお英名であるドッグローズは、狂犬病の犬に噛まれた際にこの植物の根を使って治療したことに由来するようです。このほか、栽培種のバラに比べて性質が劣ることなどからイヌ(ドッグ)と名付けられてしまった、という説もあります。
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