11月初めくらいまでは汗ばむ日が多かったものの、ここ数日は一転して肌寒い日が続いています。我が家でも息子達が寒そうにしていたので、今シーズン初めて暖房をつけました。
そんな中、私の住む関東地方では本日「木枯らし1号」が観測されました。文字通り「木」を「枯らす」と表しますが、本当に木を枯らしてしまうものなのでしょうか?
木枯らしの定義
木枯らし(または凩)とは、晩秋〜初冬の間に吹く最大風速8m/s以上の北寄りの風のことを指します。てっきり全国的な現象かと思い込んでいたのですが、実は関東地方と近畿地方でのみ発表されているのだそうです。その上、関東地方(気象庁予報部予報課の天気相談所)と近畿地方(大阪管区気象台気象防災部予報課)では発表の基準が少し異なります。
◎関東地方の基準
①発生日が10月半ば〜11月末であること
②西高東低の気圧配置であり、季節風が吹きやすい条件であること
③東京の風向が西北西〜北であること
④東京の最大風速が概ね8m/s以上であること
◎近畿地方の基準
①発生日が霜降(10月23日頃)〜冬至(12月22日頃)であること
②西高東低の気圧配置であること
③風向が北寄りで、かつ最大風速が8m/s以上であること
そして、上記の基準を全て満たした場合に初めて「木枯らし1号」として発表されます。年によっては木枯らしに該当する現象が何度も観測されますが、発表されるのは1号のみで「木枯らし2号」「木枯らし3号」を耳にすることはありません。冬になれば当たり前のように吹く風なので、やはり初回(1号)しか関心を持ってもらえないのかもしれないですね。
木枯らしの発生日一覧
ここで、(本記事投稿年を基準とした場合の)直近10年間の木枯らし発生日を一覧にしてみました。こうして並べてみると10月下旬〜11月上旬によく発生している印象ですが、中には11月下旬まで先延ばしになる年や、そもそも発生しない年もあることがわかります。関東地方では2018年頃を境目に発生頻度が落ちていましたが、今シーズンは2020年以来3年ぶりに観測されました。
◎関東地方
・2023年:11月13日
・2022年:(発生せず)
・2021年:(発生せず)
・2020年:11月04日
・2019年:(発生せず)
・2018年:(発生せず)
・2017年:10月30日
・2016年:11月09日
・2015年:10月24日
・2014年:10月27日
◎近畿地方
・2023年:11月11日
・2022年:11月13日
・2021年:10月23日
・2020年:10月23日
・2019年:11月04日
・2018年:11月22日
・2017年:10月30日
・2016年:10月29日
・2015年:10月25日
・2014年:10月27日
木枯らしで本当に木は枯れるの?
ここまでの内容から、木枯らしは主に風向・風速の2要素で定義されることがわかりました。ここでようやく本題に入りますが、木枯らしによって文字通り木は枯れてしまうのでしょうか?
ということで調べてみたのですが…木枯らしはあくまでも「木を枯らしてしまうくらい寒冷な風」を表す比喩表現であり、木を枯らす直接的な要因にはなり得ないようです。但し、この時期として寒い風が吹くことは間違いありませんので、木枯らしによって紅葉・落葉は進むかもしれません。