私の仕事はデスクワークが中心なのですが、その際に欠かせないのがガムです。長時間噛み続ける事自体はあまり気にならないタイプなので、口寂しくなるとついつい手を伸ばしていまうんですよね。
ガム自体は私達の生活にかなり浸透していますが、その原料に関してはあまり知らない方が多いのではないでしょうか(本記事投稿前の私もその1人です)。実はある植物が主原料だということで、今回はその正体について調べてみることにしました。
ガムの主原料は?
ガムのパッケージをよく読んでみると、原料の欄には「ガムベース」と記載されています。ガムベースの原料はさまざまで、大きく植物性樹脂(チクル、ソルバ、ジエルトンなど)と人工樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン)の2系統に分類することができます。
一般的はガムはこのガムベースに甘味成分や香り成分を混ぜ込むことによって作りますが、口に含むと甘味成分・香り成分だけが溶け出します。そして繊維状のガムベースだけは溶けずに残るため(※)、(味や香りが無くなったとしても)いつまでも噛み続けることができます。
※ガムベースは水には溶け出しませんが、油脂には溶け出しやすい性質があります。例えばチョコレートと一緒に食べた場合、ガムが溶けてしまうのはこのためです。
サポジラの概要
ガムベースの原料となる植物性樹脂としてはチクル、ソルバ、ジエルトンなどが挙げられますが、中でもサポジラ(サポディラ)から作られたチクルが最もよく知られているようです。ここでは、サポディラの内容についてもご紹介したいと思います。
科・属名:アカテツ科マニラカラ属
種別:常緑高木
花色:白
花期:一年中
収穫期:5〜7月、9〜10月
原産:メキシコ
別名:チューインガムノキ、メキシコガキなど
花言葉:甘美な思い出など
◎特徴:
メキシコ原産の常緑高木で、日本では沖縄県に自生しています。スペインによる植民地化の一環でフィリピンに持ち込まれたことがきっかけで、現在では東南アジアでも広く栽培されています。チクル(サポザラの樹皮から採取した乳液を煮詰めたもの)がガムの原料になることから、チューインガムノキと呼ばれることもあります。このほか、年に2回収穫できる果実は食用となり、干し柿のような味わいがあります。
【余談】ガムを飲み込んでも身体には悪くないの?
噛み続けていて味や香りが無くなってしまったガムは、紙に包んで捨てるのが一般的です。しかしながら、中には紙に包まず飲み込んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私自身もたまに飲み込んでしまうのですが…唾液でも溶け出さないガムを体内に取り込んで、悪影響を与えたりしないのでしょうか?
あれだけ粘り気があると胃や腸に貼り付いてしまいそうですが、そのようなことはほとんど無いようです。実際にはほとんど消化されずに便として排出されるため、身体への影響もほぼありません。しかしながら、飲み込むことによるメリットも特にないため、大人しく備え付けの紙に包んで捨てるのが無難だと考えられます。