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【チューインガムノキ】ガムの原料は植物だった!?ガムベースの正体について - アタマの中は花畑
昨日に引き続き、今日もガムに関する話題です。
昨日はガムの主原料であるガムベース(サポジラなど)についてご紹介しましたが、ガムに入っている成分としては「キシリトール」もよく耳にしますよね。キシリトールと言えば何となく歯に良いイメージがありますが、その正体についてはあまりよく知らないのが正直なところです。私自身、キシリトールは人工甘味料の1つだと思い込んでいたのですが…実は植物を原料とする天然甘味料なのだそうです。
キシリトールの主原料は?
冒頭でも触れた通り、私自身は人工甘味料(※いわゆる「糖類0」の食品に含まれるアスパルテームやスクラロースなど)の1つだと思い込んでいたのですが…その正体はシラカバ(白樺)やカシ(樫)を原料とする天然甘味料です。実際には前述の樹木に含まれるキシランを抽出し、加水分解することでキシロースと呼ばれる単糖に変換します。キシリトールは、このキシロースに水素を添加して生成する糖アルコールの一種です。
またキシリトールは身近な食べ物にも含まれ、代表的なものとしてはトウモロコシ、ほうれん草、にんじん、カリフラワー、ナス、レタス、イチゴ、ラズベリー、プラムなどが挙げられます。また私達の肝臓でも、日々キシリトールが生成されています。
キシリトールが歯に良いのはなぜ?
キシリトールは砂糖と同等の甘味を持つ天然甘味料で、虫歯を予防する効果があることでも知られています。一方で、砂糖であればむしろ虫歯の原因になってしまいそうですが…同等の甘味を持つキシリトールが歯に良いと言われるのは一体なぜなのでしょうか?
この理由を説明するため、まずは虫歯ができるメカニズムについて整理してみることにします。口内ではミュータンス菌と呼ばれる細菌が繁殖しており、歯に付着した糖を分解・発酵させることで酸を作り出します。この酸によって歯のエナメル質が溶け出すのですが、一般的には唾液の働きによって中和され、エナメル質の再石灰化も並行して行われるため虫歯には繋がりません。しかしながら、酸の生成量が増えると中和・再石灰化が追い付かず、結果として虫歯ができてしまいます。
一般的な砂糖であれば上記のメカニズムによって虫歯ができてしまうのですが、キシリトールの場合は少し事情が異なります。ミュータンス菌がキシリトールを取り込むところまでは同じなのですが、体内で分解・発酵されないため、虫歯の原因となる酸を作り出すことができません。またキシリトールを取り込むことでエネルギーだけが消費されるため、ミュータンス菌の働きを弱める効果があります。さらには唾液の分泌量を増やし、歯の再石灰化を促進する効果まであるのだそうです。したがって、キシリトールが歯に良いと言われるのは主に「酸の生成を抑制する」「ミュータンス菌の働きを弱める」「歯の再石灰化を促進する」という3つの理由が関わっていることになります。
シラカバ(白樺)の概要
最後に、キシリトールの主原料として紹介したシラカバの概要についても触れておきたいと思います。
科・属名:カバノキ科カバノキ属
種別:落葉高木
花色:黄褐色
花期:4〜5月
原産:東アジアの温帯北部
別名:シラカンバなど
花言葉:いつまでもあなたを待ちます、忍耐強さ、光と豊富、柔和など
◎特徴:
東アジアの温帯北部を原産とする落葉高木で、日本では北海道〜本州中部にかけて分布しています。カバノキ科の樹木のことを「カンバ」と呼び、かつ白い幹を持つことから「白いカンバの木=シラカンバ」と名付けられました(※そのため、正式名称もシラカンバです)。
冷涼な気候を好みますが、元々丈夫な樹木であるため、暖地でも庭木として育てることは可能です。但し、寒冷地に比べると幹の色付きは悪く、寿命も短くなってしまうようです。
◎シラカバの概要は下記記事からの引用です