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【雑談】中学校の理科でオオカナダモを使うのはなぜ?

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以前、小学校の理科で登場する植物としてヘチマをご紹介しました。ヘチマは季節に応じた見た目の変化が明瞭で、かつ雄花と雌花を別々に咲かせることなどから「植物の成長」や「植物の受粉〜結実」の題材としてよく取り上げられるようです。

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では「中学校の理科で登場する植物」と言われたら皆さま何を連想されますでしょうか。私であればまずオオカナダモを思い浮かべるのですが、もしかしたらヘチマ以上に知られていない植物なのかもしれません。そんなオオカナダモが理科の授業でよく取り上げられるのにも、ヘチマと同様に何か理由があるのでしょうか?

 

 

オオカナダモの概要

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科・属名:トチカガミ科オオカナダモ属

種別:多年草

花色:白

花期:5〜10月

原産:南アメリカ

別名:アナカリスなど

花言葉:─

◎特徴:

南アメリカ原産の多年草で、日本へは大正時代に実験用の植物として持ち込まれました。水質の悪い環境にも適応できることなどからすぐに分布域を広げ、現在では東北〜沖縄地方にかけて広く野生化しています。北アメリカ原産のカナダモ・コカナダモの近縁種にあたりますが、葉の大きさや枚数などから見分けることができます(※オオカナダモは4枚以上の葉が対になるのに対し、カナダモ・コカナダモは3枚の葉が対となる)。

基本的には水中でしか生育できない沈水植物ですが、白い花だけは水上で開花させる性質があります。

 

中学校の理科でオオカナダモを使うのはなぜ?

今回取り上げたオオカナダモは、中学校の理科の授業でよく題材にされます。特に有名なのが光合成に関する実験で、息を吹き込んで黄色に変色させたBTB溶液(ブロモチモールブルー溶液)にオオカナダモを入れて日光に当てると、溶液の色が黄色→緑色→青色へと変化します。これはオオカナダモが光合成を行ったことで二酸化炭素の量が減り、溶液が酸性→アルカリ性へと変化したためです。一方で青色のBTB溶液にオオカナダモを入れて暗い場所に置いておくと、今度は溶液の色が青色→緑色→黄色へと変化します。暗い場所では呼吸しか行えないため、溶液中の二酸化炭素は増加(アルカリ性→酸性)します。


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ここでようやく本題に入りますが…植物の光合成を観察するだけであれば、オオカナダモ以外の水草を採用しても特に問題ないような気がします。それにも関わらず、中学校の理科の授業でオオカナダモがよく採用されるのは一体なぜなのでしょうか?

調べてみたところ、オオカナダモが取り上げられるのには主に以下のような理由があるようです。適当な水草を取り敢えず選んだという訳ではなく、オオカナダモならではの理由がきちんとあるんですね。

・安価で入手しやすく、かつ挿し芽などによって増やしやすいため。

・葉の組織が薄く、葉緑体などの動きが観察しやすいため。

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日本には雄株しか存在しない!?

オオカナダモには雌花のみが咲く雌株と、雄花のみが咲く雄株がそれぞれ存在します(雌雄異株)。しかしながら、日本に持ち込まれて定着したのが雄株のみだったことから、現在でも日本では雄株しか見かけることができません。そのため、初夏〜秋にかけて開花する白い花も全て雄花ということになります。

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ここで1つ気になったのですが…一般的な植物であれば雌花(雌しべ)と雄花(雄しべ)が受粉することで種子を作り、その種子を散布することで個体数を増やしていきます。しかしながら、雄株しか存在しないはずの日本では、どのようにして個体数を増やしているのでしょうか?

 

こちらも調べてみたところ、日本のオオカナダモに関しては種子(種子繁殖)ではなく、ちぎれた茎の断片から発根することで個体数を増やしているようです。このような繁殖方法は栄養生殖と呼ばれ、挿し木(挿し芽)や接ぎ木がこれに該当します。


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