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2023年も残すところあと10日余りとなり、今週末にはクリスマスが控えています。今年も(聞くたびにに欲しい物が変わる)息子達の要望を聞いた上で、こっそりプレゼントを用意しています。我が家では謎解きを解くことでプレゼントを見つけられる仕様にしているため、今年の謎解きネタも併せて考えているところです。
少し話が逸れてしまいましたが、今回はそんなクリスマスに欠かせない「クリスマスリース」に関する話題です。クリスマスツリーには主にモミの木が用いられますが、クリスマスリースに関しても同様にモミの木が主流なのでしょうか?
クリスマスリースを飾る目的は?
クリスマスリースの歴史は、古代ギリシャ・ローマ時代まで遡ると言われます。リースは花や葉で作られた装飾用の輪のことを指し、当初はお祝い事の際に冠として身に付けたり、玄関先などに飾ったりしていました。この風習とキリスト教が後に融合し、クリスマスリースとして認知されるようになったようです(※諸説あります)。
なお、クリスマスリースを飾り付ける目的としては以下が挙げられます。日本ではクリスマスを終えるとすぐにしめ縄に切り替えてしまいますが、キリスト教圏ではクリスマスリースを飾り付けたまま新年を迎えます。そのためクリスマスリースにはしめ縄と同様、新年の幸福に向けた願いも込められています。
①永遠に続く神の愛(永遠の愛)
→リースが丸い輪の形状をしており、その形が終わりのない永遠を象徴しているため
②魔除け
→リースに用いる常緑樹(後述)が生命力の象徴とされ、葉には殺菌作用・抗菌作用があるため
③豊穣・豊作祈願
→リースには多くの葉や実が飾り付けられており、それらに豊作祈願の意味が込められているため
クリスマスリースにはどんな木が使われているの?
クリスマスリースに用いる木として決まった品種はないようですが、先程の目的や意味合いを踏まえて常緑樹が多く採用されています。代表的な品種はセイヨウヒイラギで、クリスマスの時期に魔除けとして飾られるモチノキ科の樹木(ホーリー)という意味合いで「クリスマスホーリー」と呼ばれることもあります。このほか冒頭で取り上げたモミの木や、ヒムロスギ、ブルーアイスなどがよく用いられるようです。日本の「和」を象徴するような杉、桧、松の葉が採用されることもあります。
また、先ほど触れた豊作祈願の願いを込めて、さまざまな木の実が飾られます。松ぼっくりのほか、姫リンゴ、サンキライ(サルトリイバラ)、ピラカンサなどの赤い実が好まれる傾向があります。セイヨウヒイラギも赤い実を付けるため、クリスマスリースにはとても重宝されています。
セイヨウヒイラギの概要
最後に、今回登場したセイヨウヒイラギの概要についても取り上げておきたいと思います。
科・属名:モチノキ科モチノキ属
種別:常緑小高木
花色:白
花期:4〜5月
原産:ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部
別名:クリスマスホーリー、ヒイラギモチなど
花言葉:将来の見通し、神を信じますなど
◎特徴:
ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部などを原産とする常緑小高木で、日本でも園芸植物として親しまれています。日本にも「ヒイラギ」は自生していますがこちらはモクセイ科であり、セイヨウヒイラギとは全くの別種です。
秋〜冬にかけて熟す赤い実は苦味が強く、色は目立つものの鳥などに食べられることはあまりありません。
◎セイヨウヒイラギの概要は下記記事からの引用です
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