今回は、こちらのヘチマについて取り上げてみたいと思います。愛知県出身の私にとってはヘチマ=食用というイメージはあまりなく、これまでも小学生時代に理科の授業で栽培したことがあるくらいです。と言うよりもむしろ、理科の授業以外ではあまり見かける機会のない植物なのかもしれません。
そんなヘチマですが、理科の授業でよく取り上げられるのには何か理由があるのでしょうか?
ヘチマの概要
科・属名:ウリ科ヘチマ属
種別:一年草
花色:黄
花期:7〜8月
原産:インド
別名:イトウリ、トウリなど
花言葉:悠々自適、剽軽ななど
◎特徴:
インド原産の一年草で、日本へは室町時代に中国経由で渡来しました。繊維質の多い実をつけることからイトウリ(糸瓜)とも呼ばれ、その繊維を活用した「ヘチマたわし」も多く生産されています。品種によっては幼果を食用とすることもあり、沖縄ではナーベラー(ナーベーラー)という名で親しまれています。また切った茎から採取できるへちま水は、肌に栄養を与える化粧水としても活用することができます。
▲ヘチマたわし(参考)
名前の由来は?
ウリ科の植物と言えば胡瓜(きゅうり)、南瓜(かぼちゃ)、西瓜(すいか)、苦瓜(ゴーヤ)、甜瓜(メロン)など…いかにも瓜だな、という名前であることが多い印象です。それに対して「ヘチマ」はかなり変わった名前ですが、一体なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか?
実は私もつい最近知ったのですが…概要欄で触れた通り、ヘチマも漢字では「糸瓜」と表記します。元々はこれを訓読みして「いとうり」と呼んでいましたが、次第にこれが短縮化して「とうり」に転じました。そして、とうりの「と」は『いろは歌(いろはにほへと ちりぬるを…)』の「へ」と「ち」の間に位置することから、へとちの間=へち間=ヘチマと呼ばれるようになったとされています。
小学校の授業でヘチマを栽培するのはなぜ?
(私だけかもしれませんが)ヘチマと言えば、朝顔やホウセンカと並んで「小学校の授業で育てる植物の代表格」のようなイメージがあります。正直なところ朝顔やホウセンカほどの知名度はないと思うのですが…それにも関わらず、小学校の授業でヘチマを栽培するのは一体なぜなのでしょうか?
調べてみたところ、ヘチマが取り上げられるのには主に以下のような理由があるようです。「植物の成長」や「植物の受粉〜結実」で主に扱うことから、中学年〜高学年向けの教材ということになります。
・1年の中で発芽→成長→開花→結実→枯死のサイクルを1周し、季節に応じた見た目の変化が明瞭であるため。
・同じ株の中で雌花と雄花を別々に咲かせる性質を持ち(雌雄同株)、両者を受粉させることで実をつけるため。