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【青大根】種まきから5カ月経過…ようやくビタミン大根を収穫! - アタマの中は花畑
前回の記事で青大根(ビタミン大根)の収穫についてご紹介しましたが、とう立ちが迫っていることから残りの株も早めに収穫してしまう必要があります。そこで大根の使い道について色々考えてみたところ、その中の1つとして「刺身のつま」が挙がりました。
刺身のつまと言えば細切りにした大根のイメージがあるのですが、彩りが目的だとしたら何となく地味な気もしてしまいます。そもそも、刺身のつまは何の目的で添えられているのでしょうか?
刺身のつまとは?
つま(妻、褄)とは刺身のそばに添えられるものの総称で、あしらいと呼ばれることもあります。日本では古くから生魚を食べる文化がありましたが、当初は煎り酒と呼ばれる調味料で食べることが一般的でした。その後江戸時代に入ると醤油が普及し始め、これをきっかけに刺身の切り方や盛り付け方が変化していきました。その流れの中で、刺身につまが添えられるようになったと言われています。
つまとして用いられるのは主に大根で、以下の目的で添えられています。「刺身のつまは食べない方が良い」と言われてしまうこともありますが、むしろ食べた方が刺身を美味しく安全にいただくことができます。
・刺身から出る水分を吸収し、鮮度を保つため
・大根独特の辛味成分が、抗菌作用や消化を助ける作用を持っているため
・刺身の下に敷くことで高さやボリュームが出て、盛り付けの見栄えが良くなるため
・刺身の後につまを食べることで、口直しになるため
名前の由来は?
つまは漢字で「妻」または「褄」と記載しますが、それぞれに違う語源があるようです。「妻」に関しては文字通り奥さんが由来で、刺身を引き立てる様子が「夫を支える内助の功」に例えられたとされています。また「褄」には「端」の意味合いがあり、刺身のそばに添えられる様子からこの字があてられたようです。
刺身のつまと言えば大根?
冒頭でも少し触れましたが…「刺身のつま」と言えば何となく「細切りの大根」のイメージがありますよね。確かによく使われているのは大根ですが、刺身のつまは大根でなければいけない!というものでもないようです。実際のところ、大根以外にも以下をはじめとした野菜が「つま」として食卓を飾っています。さらには海藻(ワカメ、トサカノリなど)や花(菊など)が用いられることもあります。
・大葉
・ニンジン
・ミョウガ
・キュウリ
・パセリ
・穂紫蘇
・ハマボウフウ など
※つまのうち、刺身の下に敷くものを「敷きづま」、刺身に立てかけるように飾るものを「立てづま」と呼びます。使用する野菜にもよりますが、大根・大葉・ニンジンなどは敷きづま、パセリ・穂紫蘇・菊などは立てづまとしてよく用いられる印象です。
※よく似た言葉として「けん(剣)」が挙げられることもありますが、こちらは細切りにした野菜全般のことを指します。ただ利用用途は変わらないので、分類上は「つまの一種」だとされています。