実家では、お盆になるとミソハギの花を供えます。小さい頃から慣れ親しんできたため、お盆=ミソハギのイメージが強いのですが、そもそも何故お盆に供えるようになったのでしょうか?
ミソハギとは?
種別:多年草
花色:赤紫
花期:7〜9月
原産:日本、朝鮮半島
別名:盆花(ぼんばな)、精霊花(しょうりょうばな)など
花言葉:愛の悲しみ、純真な愛情、悲哀、慈悲など
◎特徴:
湿地や田んぼの畦道などの日当たりが良く、かつ湿った場所を好みます。暑さにも寒さにも強く、花期も長いため、初心者でも育てやすい花です。花の色は赤紫で萩に似ていますが、秋の七草の一つである萩とは異なります。
お盆や祭事の禊(みそぎ)に使われることから禊萩(みそぎはぎ)、また湿地を好むことから溝萩(みぞはぎ)とも呼ばれており、これらが名前の由来とされています。
何故お盆に供えるようになったの?
ミソハギがお盆に供えられるようになったのは、名前の由来の一つである「禊萩」が関係していると言われています。
諸説ありますが、以下の理由からお盆の禊に使われるようになったようです。お盆とミソハギは切っても切れない関係なんですね。
- 旧暦のお盆頃に開花する
- ミソハギの花穂に水を含ませて水をかける風習がある(禊花)
- お盆に帰ってくる仏様がミソハギの露を好む(ミソハギの露でないと口にされない)と言われている
- ミソハギが喉の渇きを抑えるのに効果があると言われている など
ミソハギの供え方は?
地域などによって異なりますが、精霊棚や盆棚に供える場合は、閼伽水のそばに、ミソハギを5、6本束ねたものを置くことが多いようです。お参りの際は、ミソハギの花穂に水を浸し、水の子に水を振りかけてお清めをします。
◎閼伽水(あかみず):器や蓮の葉に綺麗な水を入れたものです。供養のために供える水で、穢れを払うとされています。
◎水の子(みずのこ):ナスやキュウリをさいの目に刻み、洗った米と閼伽水と混ぜ合わせたものです。蓮の葉を敷いた器に入れて供えます。
お盆に供える植物は他にも!
ミソハギ以外にも、お盆に供える植物はいくつかあります。地域などによって異なりますので、ここでは代表的なものをご紹介します。
◎ほおずき:
先祖の霊が道に迷わないための盆提灯に似ていることから、飾られることが多いようです。
◎精霊馬:
先祖の霊が乗る馬や牛を形どったものです。霊が来る時は早く来られるようにキュウリの馬に、送る時は名残を惜しみつつ帰れるようにナスの牛に乗るとされています。お盆と言うと、精霊馬を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。
◎まこも・蓮の葉:
精霊棚や盆棚の上に敷きます。この上にお供え物を置きます。
◎麻がら:
箸や精霊馬の脚、迎え火・送り火などに使われます。お盆シーズンになると、スーパーや量販店でも見かけるようになります。
◎季節の野菜や果物:
先祖の霊(故人)が好んでいた野菜や果物を供えます。百味五果(ひゃくみごか)とも呼ばれ、百味は「たくさんの美味しいもの」、五果は「瓜、茄子、麺、饅、餅」を指します。
◎たいまつ:
迎え火・送り火の際に利用します。お盆にたいまつは無くてはならない!と思っていたのですが、通常は麻がらを用いることが多く、たいまつは東海地方を中心に用いられているようです。
おわりに
実家でも毎年お盆のお供えは行っているのですが、ここまでご紹介したものを全て供えている訳ではなく、段々と簡略化されてきています。昔から続いてきた風習ですので、これからも続けていきたいですね。