少し前の話になるのですが、家庭菜園の空きスペースに鷹の爪(唐辛子)の苗を植えることにしました。小さい頃は辛い物が総じて苦手で、高校生くらいまではカレーの中辛すら満足に食べられないほどだったのですが…まさか唐辛子の苗を好き好んで植える日が来るとは思いもしませんでした。
(※現在では一般の方並みには辛い物が食べられるようになりました。わさび・からしの類は今も苦手ですが…)
さて、鷹の爪といえば「辛い唐辛子」としても有名ですが、実際のところどの程度辛いのでしょうか?今回は、鷹の爪の辛さについて少し触れてみたいと思います。
鷹の爪の概要
科・属名:ナス科トウガラシ属
種別:一年草
花色:白
花期:6〜9月
収穫期:9〜11月頃
原産:中南米
別名:唐辛子、チリペッパー、レッドペッパーなど
花言葉:旧友、嫉妬、生命力など
◎特徴:
日本を代表する唐辛子で、その細長い見た目から「鷹の爪」と呼ばれるようになりました。完熟した実を乾燥させてから用いることが多く、香辛料のほかダイエットや虫除けなどにも活用されています。
唐辛子はなぜ辛い?
鷹の爪を含む唐辛子の辛さはカプサイシンと呼ばれる成分によるものです。「カプサイシン」という言葉自体は、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。カプサイシンには血行や発汗を促す効果があるため、ダイエットの際にも重宝されています。このほか疲労回復や老化防止などの効果もあり、良いことづくめです。但し、多く摂取するほど身体に良い…というものでもないため、くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。
カプサイシンは唐辛子の果肉や種子に多く含まれていると思われがちですが、実は胎座と呼ばれるワタの部分に多く含まれています。唐辛子を収穫した直後に果肉と種子の部分のみを食べた場合、それほど辛さは感じないと言われています(※唐辛子本来の辛さに比べたら…というものであり、人によっては強い辛さを感じることもあります)。
▲唐辛子の胎座(緑丸の部分)
ちなみに唐辛子は乾燥させてから用いることが多いですが、乾燥させる過程でカプサイシンが果肉や種子にも行き渡ります。乾燥唐辛子の果肉や種子が辛く感じるのは、この作用によるものです。
鷹の爪の辛さはどのくらい?
ようやく本題に入りますが、「辛い唐辛子」としても知られる鷹の爪は一体どの程度の辛さがあるのでしょうか?唐辛子の辛さはスコヴィル値と呼ばれる指標(要はカプサイシンの含有量。値が大きいほど辛い)で評価されるため、今回はスコヴィル値で比較してみることにしましょう。一般的な唐辛子(赤唐辛子、Red Pepper)のスコヴィル値が1万程度なのに対し、鷹の爪は4〜5万程度と言われています。したがって、鷹の爪は一般的な唐辛子の数倍は辛いということがわかります。
もちろん、辛い唐辛子は鷹の爪だけではありません。私が知るだけでもハバネロ、ブート・ジョロキア、キャロライナ・リーパーなどの唐辛子が挙げられます。いずれも「世界一辛い!」と言われていた時期がありましたが、実際のところ世界で一番辛い唐辛子は何なのでしょうか?
▲ブート・ジョロキア(参考)
以下に、代表的な唐辛子のスコヴィル値をまとめてみました。本記事の投稿時点では「ペッパーX」と呼ばれる唐辛子が世界で最も辛く(※諸説あり)、そのスコヴィル値は318万とも言われています。この値だけで比較すると、鷹の爪の数十倍は辛いことになりますね…。
ペッパーX→318万程度
ドラゴンズ・ブレス・チリ→248万程度
キャロライナ・リーパー→220万程度
ブート・ジョロキア→100万程度
ハバネロ→10〜35万程度
プリッキーヌ→5〜10万程度
島唐辛子→5〜10万程度
鷹の爪→4〜5万程度
赤唐辛子→1万程度
ハラペーニョ→0.3〜0.8万程度
ししとう→0
ピーマン→0
ちなみにペッパーXほど辛い唐辛子になると、素手で触れないのはもちろんのこと、生食も禁止されています(ホットソースとしての加工のみ可)。今後、ペッパーXよりもさらに辛い唐辛子が開発されるかもしれませんが、取り扱いには一層の注意が必要になりそうです。
我が家の鷹の爪
最後に、我が家の鷹の爪についても触れておきたいと思います。購入時点の草丈は15cmほどありましたが、まだ蕾は顔を出していませんでした。
1鉢2本入りだったため、株分けした上でそれぞれ家庭菜園へ植え付けました。根が複雑に絡み合っていたため株分けにかなり苦労しましたが…このまま枯れずに育って欲しいものです。