9月のイベントといえば運動会や遠足をまず思い浮かべる私ですが、昔ながらのイベントとしてはお月見も挙げられます。私自身はお月見をほとんど行ったことがないのですが、お月見といえばお団子やススキをお供えするイメージです。この時期はもっと鮮やかな花も咲いているはずなのですが、わざわざススキを供えるようになったのには何か意味があるのでしょうか?
ススキの概要
本題に入る前に、まずはススキの概要について触れておきたいと思います。
科・属名:イネ科ススキ属
種別:多年草
花色:黄
花期:8〜10月
原産:日本、中国、朝鮮半島など
別名:オバナ(尾花)、カヤ(茅)など
花言葉:活力、生命力など
◎特徴:
日本をはじめとした東アジアを原産とする多年草で、日当たりの良い空き地などに広く分布しています。一度でも生えてしまうと駆除が難しくなるため「厄介な植物」のイメージもありますが、実は茅葺き屋根の材料や動物の飼料としても用いられる有用植物です。
また、葉の縁には鋸歯(きょし)と呼ばれる細かな凹凸を持つため、素手で触れると肌を傷付けてしまうこともあります。
お月見とは何?
お月見(月見)とは、旧暦8月15日の「十五夜」のことを指します。十五夜では美しい月を鑑賞しつつ、秋の収穫への感謝を行います。この行事のことを「中秋の名月」とも呼びます。
十五夜=8月15日のイメージが強いですが、8月15日はあくまでも旧暦であり、現在(新暦)は該当日が異なります。旧暦に依存するため該当日は毎年異なるのですが、一般的には9月中旬〜10月上旬のいずれかの日程となります。本記事を投稿した2021年は9月21日(火)が十五夜に該当します。
お月見にススキを供えるのはなぜ?
お月見では秋の収穫への感謝を行うのため、芋や豆などの収穫物が供えられます。秋の収穫物としては稲も挙げられるのですが、(当時は)旧暦8月15日には収穫が間に合わなかったため、稲の代わりとしてススキが供えられるようになったと言われています。
このほか、ススキには以下のような意味も込められています。このような経緯から、お月見で供えたススキを軒先に吊ったり、水田に立てたりする地域もあるようです。
①神様の依り所
→ススキの茎は中が空洞になっているため、神様の宿り場になると信じられています。
②魔除け
→ススキの鋭い切り口は災いや悪霊から収穫物を守ると信じられています。
お月見だんご