暑がりを自称する私でも、最近は「寒い」と口にしてしまうほど冷え込む日が続いています。風がもう少し弱ければ、ここまで肌寒く感じることもないのだとは思いますが…。
そんな「寒い」と口にしてしまう私でも、1日の多くは部屋の中で過ごしています。しかしながら、そんな私とは対照的に植物達の多くは屋外で寒さに耐え忍んでいます。
(※もちろん、中には我が家のハイビスカスのように室内管理が必要な植物もあります)
▲冷え込んだ日のパンジー(2022年1月撮影)
▲室内管理中のハイビスカス(2021年12月撮影)
ここから本題に入りますが、植物にも寒さに強い品種・弱い品種のそれぞれが存在します。例えば、寒さに強い植物にはどのような特徴があるのでしょうか？
寒さに強い植物の特徴
まず、寒さに強い植物(＝耐寒性のある植物、耐寒温度の低い植物)の特徴をいくつかご紹介します。
①寒い地域で発展している
・当たり前の話ではあるのですが、まずは寒い地域で発展した植物であることが大前提となります。その地域の寒さに順応し、寒い時期を耐え忍ぶことができなければ、品種として生き残ることもできません。
・逆を言えば、寒さをほとんど経験していない熱帯植物などは、気温が下がるとすぐに枯れてしまいます。
②他の地域での生存競争に負けている
・これは一概には言えないのですが、寒さに強い植物の中には「他の地域での生存競争に負けた品種」も含まれています。例えば針葉樹の多くは寒い地域に分布していますが、一説には広葉樹との生存競争に負けたことで、他の植物が生育できない地域に移ったためだとされています。
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③草丈が低い
・これも一概には言えないのですが、寒い地域＝厳しい環境下で生育する必要があるため、一般的な品種に比べて樹高・草丈の低いものが多いです。例えば、日本国内で最も北に分布するチシマザクラの樹高は0.5〜5mほどで、一般的なソメイヨシノ(樹高15m程度)に比べるとかなり低めです。
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北極に分布する植物は存在するの？
「寒さに最も強い植物」「耐寒性が最も強い植物」と言ってもなかなか1つには絞れないため、今回は寒い地域の代表格である北極・南極に分布する植物について調べてみることにしました。
まずは北極からですが、北極点付近は氷の塊であるため、ここでは北極圏(北緯66度33分以北の地域)まで範囲を広げてみます。北極圏に分布する植物なんてほとんど存在しないと思いきや、実は樹木や高山植物を中心に900種類以上が生育しています。その多くは、比較的温暖かつ(動物の糞などで)土壌に含まれる養分が多い沿岸部に分布しているようです。
代表的な植物としては以下が挙げられます。
・ムラサキユキノシタ
・チャボクモマグサ
・オニイワヒゲ
・キョクチタンポポ
・エゾワタスゲ など
▲エゾワタスゲ
南極に分布する植物は存在するの？
一方で、南極大陸に分布する植物の大半は地衣類(菌類と藻類の共生体。苔などが含まれる)で、種子植物は以下の2種類のみと言われています。草丈はどちらも20〜30cmほどで、こちらも比較的温暖な沿岸部を中心に分布しています。
・ナンキョクコメススキ
・ナンキョクミドリナデシコ
◎ナンキョクコメススキについて(Wikipedia)
◎ナンキョクミドリナデシコについて(Wikipedia)
北極・南極ともに1年の大半は雪や氷に覆われているため、多くの植物は雪が溶ける短い夏の間に成長し、花を咲かせます。北極・南極を訪れる機会がこの先あるかどうかすらわかりませんが、夏季限定の「花畑」を私も見てみたいものです。
