まだまだ寒い日が続いていますが、河津桜(カワヅザクラ)の開花便りをちらほら耳にするようになりました。河津桜といえば早咲きの桜としても有名で、まだ花が少ないこの時期にピンク色の花を楽しませてくれます。私も河津町に何度か足を運んだことがあるのですが、現在の情勢が落ち着いたらまた訪れたいところです。
さて、その開花時期の早さから「日本で一番早く咲くのは河津桜なんじゃないか?」と考えてしまうのですが、実際のところはどうなのでしょうか?今回は、河津桜の開花時期が早い理由とともにご紹介したいと思います。
河津桜の概要
科・属名:バラ科サクラ属
種別:落葉亜高木
花色:ピンク
花期:1〜3月
原産:─ (静岡県河津町にて発見)
別名:ミナミザクラなど
花言葉:思いを託します、淡白、純潔、優れた美人など
◎特徴:
オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑によって誕生した品種で、静岡県河津町で発見されたことからその名が付けられました。一般的な桜に比べて開花時期が非常に早いことでも知られ、河津町では1〜2月頃に開花します(東京などではもう少し開花時期が遅いようです)。
河津桜が早く開花するのはなぜ?
河津桜が早く開花するのは、交雑元となった桜に関係していると言われています。オオシマザクラは日本古来の桜(ソメイヨシノの交雑元でもあります)ですが、もう一つのカンヒザクラは中国南部や台湾の原産です。カンヒザクラは鹿児島県〜沖縄県にも自生していますが、どちらかと言えば日本より暖かい地方を好みます。日本の四季に囚われることがないため、開花時期が非常に早いことでも知られています。
▲カンヒザクラ(参考)
河津桜はこの交雑元となったカンヒザクラの性質を受け継ぎ、開花時期が早まったと言われています。また、数ある桜の中で河津桜は「大輪」に該当するのですが、こちらはもう片方の交雑元であるオオシマザクラの性質によるものなのだそうです。
▲オオシマザクラ(参考)
日本で最も開花が早い桜は?
「開花時期の早い桜」と言われると、その知名度も相まって河津桜を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。実際のところ、日本で最も開花が早い桜(※)はどの品種なのでしょうか?
(※ここでは、1月以降に最も早く開花する桜を指すこととします)
最も開花が早い桜については諸説あり、少し調べてみただけでも複数の品種が「最も開花が早い桜」を謳っていました。そのため一概には言えないのですが、調べてみた印象ではカンヒザクラとアタミザクラの開花が特に早いのではないか?と思っています。
カンヒザクラは先程もご紹介したとおり、河津桜やソメイヨシノの交雑元となった桜です。日本では鹿児島県〜沖縄県にも自生しており、沖縄県では例年1月中旬頃に開花します。
一方でアタミザクラは静岡県・熱海市周辺で広く栽培されている桜です。アタミザクラはインド原産と言われていますが、現在栽培されているのは日本のヤマザクラなどと交雑した品種ではないか?という説が有力です。開花時期はこちらも1月中旬頃で、場合によっては12月のうちに開花することもあるのだそうです。
▲アタミザクラ
※ちなみに、エドヒガンの仲間(ジュウガツザクラなど)は10月頃と4月頃の2回開花します。年明け以降の開花に限らないのであれば、実はエドヒガンこそが最も開花が早いと言えるのかもしれません。
▲ジュウガツザクラ(参考)
日本で最も開花が遅い桜は?
一方で、最も開花が遅いと言われているのがチシマザクラです。チシマザクラは北海道〜千島列島南部に自生する桜で、厳しい環境下で成長することから一般的なサクラに比べて背丈が低いのが特徴です。
▲チシマザクラ
「桜前線の終着点」とよく称される根室では、5月中旬〜下旬頃にチシマザクラの見頃を迎えます。先程取り上げたカンヒザクラやアタミザクラに比べると、およそ4カ月遅れで開花することになります。
ソメイヨシノのイメージからか「見頃がとても短い」と思われがちな桜ですが、日本列島全体で見れば長く楽しめる花とも言えるのかもしれません。
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