アタマの中は花畑

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【雑談】針葉樹は寒い地域、広葉樹は暖かい地域に分布するのはなぜ?

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イチョウは針葉樹だった!?〜針葉樹と広葉樹の違いとは?〜 - アタマの中は花畑

 

樹木には大きく針葉樹と広葉樹の2種類があります。両者の違いについては以前の記事で触れましたが、その違いの一つとして「針葉樹は比較的寒い地域、広葉樹は比較的暖かい地域に分布している」ことをご紹介しました。

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でもよくよく考えると、この分布の違いは一体どんな理由によって生じたものなのか不思議になってきます。(私の自己満足な内容ですが)今回はこの違いについて調べてみることにしました。

 

 

針葉樹と広葉樹の違いは?

冒頭の関連記事で触れているため詳細は割愛しますが、まずは両者の違いについて簡単に触れておこうと思います。針葉樹・広葉樹については、主に以下をはじめとする樹木を指します。

針葉樹→スギ、ヒノキ、マツなど

広葉樹→サクラ、カエデ、クスノキなど

 

①葉の形

→針葉樹の葉は針のように細長く、広葉樹は平べったい形をしている

②樹形

→針葉樹は上に真っ直ぐ伸びるのに対し、広葉樹は幹を曲げながら広がりを持つように伸びる

③花弁の有無

→針葉樹は裸子植物のため花弁がなく、広葉樹は被子植物のため花弁がある 

④種子の構造

→針葉樹は胚珠(種子の元となる部分)が剥き出しであるのに対し、広葉樹は胚珠が子房(果肉)などに包まれている

⑤分布域

→針葉樹は比較的寒い地域、広葉樹は比較的暖かい地域に分布している

⑥木材の性質

→針葉樹は柔らかくて軽い材質、広葉樹は硬くて重い材質をしている

 

針葉樹が寒い地域に分布しているのはなぜ?

その答えを一言で表すのであれば「広葉樹との生存競争に勝てなかったため」だと考えられます。元々針葉樹は裸子植物であり、その多くは太古の昔から大きく姿を変えていません。これに対して、広葉樹(被子植物)は裸子植物が環境に適応する過程で進化したものだと言われています。ざっくり言い換えれば、針葉樹は旧型の植物、広葉樹は新型の植物といったところでしょうか。

 

この2系統の樹木がより良い生育環境を求めて生存競争を起こした場合、大抵勝つのは新型の植物(広葉樹)です。競争に負けた針葉樹はその場所から淘汰され、広葉樹が育たないような寒い地域へと分布域を広げていきました。これこそが「針葉樹は寒い地域、広葉樹は暖かい地域に分布する」理由だと言われています。

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針葉樹の葉が冬でも青々としているのはなぜ?

寒い地域に広く分布する針葉樹ですが、その多くは冬になっても葉が青々としている常緑樹です。一方で広葉樹は冬になると葉を落とす品種(落葉樹)も多く存在しますが、なぜ寒い地域に分布する針葉樹の方が常緑樹の割合が高いのでしょうか?

 

実はこれも「生育環境の悪さ」が関係していると言われています。植物は光合成によって養分を得る目的で葉を伸ばしますが、「葉を伸ばすために消費するエネルギー」が「伸ばした葉によって得られるエネルギー」を上回ってしまうと植物は損をすることになります。そのため、葉の寿命を伸ばすことで得られるエネルギーを少しでも増やそうとするのですが…生育環境が悪いほどその効率も当然ながら悪くなります。したがって、生育環境が悪いほど必要十分なエネルギーを得るのに時間を要するため、その分葉の寿命も伸びる傾向があります。針葉樹の多くが常緑樹であるのは、このような背景に起因するようです。

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