2015年頃からアサイー、キヌア、ココナッツオイルなどのスーパーフード(=栄養価が高く、摂取することで健康増進に寄与する食品)がブームとなっています。今回はそのうちの1つであるチアシードについてご紹介したいと思います。名前からして「チア」と呼ばれる植物の種だと思うのですが、チアとは一体何者なのでしょうか?
※正直なところアサイーやキヌアについてもよく分かっていないため、機会があれば別記事でまとめられたらと思っています。
チアシードの正体は?
冒頭でも触れたとおり、チアシードは「チア」と呼ばれる植物の種です。正直なところ私たちにはあまり馴染みがないため、ここではチアの概要についても触れておきたいと思います。
科・属名:シソ科アキギリ属(サルビア属)
種別:一年草
花色:紫、白
花期:6〜11月
収穫期:10〜12月
原産:中央アメリカ
別名:サルビア・ヒスパニカなど
花言葉:─
◎特徴:
メキシコ〜グアテマラ(中央アメリカ)を原産とする一年草で、直径1mmほどの種子は「チアシード」として食用にされています。種子には油分が多く含まれており、原産地周辺の現地語(ナワトル語)で油っぽいことを意味する「chian」が名前の由来となっています。草丈は高く、一年草ですが2m弱程度まで成長することもあります。
なお、チアシードには大きく「ブラックチアシード」と「ホワイトチアシード」の2種類が存在します。前者は一般的な品種で紫の花を咲かせるのに対し、後者は前者を品種改良したもので白い花を咲かせます。ホワイトチアシードの方が流通量が少ないため、一般的には後者の方が高級品として扱われています。
また、同じシソ科アキギリ属にはサルビアも属しており、植物学上ではチアとサルビアは同じ仲間だと言えます。
▲サルビアの花(参考)
少量の摂取でお腹が膨らむのはなぜ?
よく「チアシードは少量で満腹感を感じるため、ダイエット食にはぴったり」といった主旨の話を耳にします。チアシード自体はとても小さい種子ですが、この種子でどうやってお腹が膨らむのでしょうか?
これにはグルコマンナンと呼ばれる水溶性の食物繊維が深く関係しています。「マンナン」と聞くと蒟蒻を連想される方もいらっしゃるかもしれませんが、お察しのとおり蒟蒻にも多く含まれている成分です。
チアシードを水に浸すと表面のグルコマンナンが水分を吸収し、その体積は10〜14倍ほどに膨らみます。膨らんだ後のチアシードはゼリー状となり、食感も大きく変わります。
グルコマンナンに代表させる食物繊維は腹持ちが良く、かつ膨らむことで満腹感も得られるため、結果として摂取カロリーを抑えることができます。さらに食物繊維には便秘を解消する効果もあるため、ダイエット食の一つとして重宝されています。
なおチアシードは無味無臭ですので、どんな料理に混ぜてもその味を邪魔することはほとんどありません。そのまま使用してゴマのようなプチプチとした食感を楽しむも良し、水で戻してゼリーのようなプルプルした食感を楽しむも良しです。
チアシードよりも身近な「バジルシード」
チアは日本で栽培することも可能ですが、寒さに弱いため収穫期(10〜12月頃)の管理には少々気を使う必要があります。「それでもチアシードを自分で収穫してみたい!」という場合、チアの代わりにバジルを栽培する方法もあります。
バジルの種は「バジルシード」と呼ばれ、チアシードと同様にグルコマンナンを含みます。水分を吸収すると体積は約30倍まで膨らむため、実はチアシードよりもダイエット食のしての評価は高いのかもしれません。バジルなら日本でも手軽に育てられるため、もし機会があればバジルシード目的で栽培してみてはいかがでしょうか。
▲バジルシード(参考)