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我が家では昨年11月より玉ねぎを育てています。今回育てているのは中生(なかて、ちゅうせい)に分類される品種で、通常5月下旬〜6月中旬頃に収穫を迎えます。「そろそろ収穫かな?」と思い家庭菜園の様子を見に行ってみると、まるで台風が過ぎ去った後かのように葉が倒れていました。
この写真だけ見ると少し心配になってしまいますが、このタイミングで葉が倒れても大丈夫なものなのでしょうか?
玉ねぎの葉が倒れるのはなぜ?
これだけ多くの株で一斉に葉が倒れたとなると、きっと何かしらの理由があるはずです。理由について調べてみたところ、この現象は玉ねぎの成長過程の1つであり、発生しても全く問題ないようです。
玉ねぎは成長と共に葉の枚数を増やし、地下の鱗茎(可食部)を肥大させていきます。ある程度成長すると葉の成長は止まりますが、その後も鱗茎は成長を続けます。鱗茎のみが成長することで葉の付け根付近が空洞になり、とても倒れやすい状態になります。なお、この際空洞になるのは葉の付け根付近のみなので、必ずと言って良いほどこの部分で葉が折れます。
我が家の玉ねぎに関してもこの現象が原因だと考えられますが、株が順調に成長した証でもあるため心配する必要はないと思っています。
収穫のタイミングは?
今回の現象は葉の成長が止まったことを示しているため、これが収穫の一つの目安になりそうです。玉ねぎに関しては、葉が倒れてから1週間程度経過した頃が収穫のタイミングとなります。
ここまでの内容を踏まえると、葉が倒れた直後に収穫しても良さそうなものですが…この時点ではまだ鱗茎が十分に成長していないのだそうです。葉が折れることで吸収した養分が鱗茎に回りやすくなるため、実はここから鱗茎が急成長します。そして、葉が倒れてから1週間程度で鱗茎が十分肥大化し、収穫の適期を迎えます。
(※収穫自体は晴れの日が続いたタイミングで行い、さらに収穫後2〜3日程度乾燥させることで貯蔵期間はぐっと長くなります。収穫後すぐに食べてしまうのであれば、天候等は気にせず収穫可能です。)
ということで、我が家でも葉が倒れてから1週間程度経過した株を抜いてみました。この写真だけ見ると水仙の球根みたいですね。
鱗茎付近を拡大してみました。我が家の家庭菜園が痩せているためか、市販の玉ねぎに比べると一回り小さいですが…これでも十分成長した方だと思っています。
さらに皮を剥いてみました。一昨年は大失敗に終わりましたが、今回は及第点と言ったところでしょうか。「家の畑で採れた玉ねぎだよ!」と言ったら玉ねぎ嫌いの長男も食べてくれないかな…と密かに期待しています。
なお、葉が倒れてから1週間以上が経過すると病気にかかるリスクが高まり、かえって貯蔵期間が短くなってしまうのだそうです。葉が完全に枯れるまで放置しておけば良い、というものでもないんですね。
収穫のタイミングを早めることも可能?
先程「玉ねぎの葉が折れることで鱗茎の成長を促進する」みたいなことを書きましたが、実はこの性質を利用して収穫のタイミングを意図的に早めることも可能です。その方法は至って簡単で、葉が自然に倒れる前に人工的にその場所を折ってしまうだけです。人工的に折っても養分の回り方が変わるため、鱗茎の成長に繋がるのだそうです。
例えば家庭菜園で玉ねぎを育てている場合、
・一部は人工的に葉を折って収穫時期を早める
・一部は何もせずそのまま育てる
ことで収穫のタイミングをずらし、新鮮な玉ねぎを長く楽しむこともできるかもしれません。
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