今回は、私が小さい頃によく耳にした(気がする)とあるキノコに関する話題です。
突然ですが、皆さまは「アガリクス」と呼ばれるキノコのことをご存知でしょうか。恐らく私が小学生だった頃に話題となったキノコで、当時は地元の農協でも乾燥アガリクスが販売されていたほどでした。当時に比べると現在ではあまり耳にしなくなったような気もしますが…そもそもアガリクスはどのような理由で注目されていたのでしょうか?
アガリクスの概要
科・属名:ハラタケ科ハラタケ属
種別:菌類
花色:─
花期:─
収穫期:─(地域によって異なる)
分布:ブラジル
別名:カワリハラタケ、ニセモリノカサ、ヒメマツタケなど
花言葉:─
◎特徴:
ハラタケ科に属するキノコの総称で、日本ではカワリハラタケなどと呼ばれています。原産地のブラジルから日本へ持ち込まれたのは1965年(昭和40年)で、以降は日本でも人工栽培が行われています。健康食品としての利用が主流で、その際は「アガリクス」の名称が用いられています。
アガリクスの効果について
アガリクスにはβ-グルカンと呼ばれる食物繊維の一種が豊富に含まれています。β-グルカンには免疫機能向上やがん予防などに効果があるとされ、日本でも健康食品として利用されています。
この効果は日本に持ち込まれた当初から注目されていたものの、当時はアガリクスの大量生産ができず高級食品として扱われていました。その後1990年頃に人工栽培の方法が確立され、1990年代半ば以降にはアガリクスを使った健康食品が
大量に生産・販売されるようになりました。これがいわゆる「アガリクスブーム」です。私が乾燥アガリクスを多く見かけたのも、ちょうどこの頃にあたります。
アガリクスブームの終焉、そして再評価
そんなアガリクスブームも、2006年に厚生労働省が発表したニュースによって突然終焉を迎えるこのになります。ニュースの内容は「一部のアガリクス製品に発がんプロモーション作用がある」というものだったのですが、これが「アガリクスには発がん性がある」と勘違いされたがために多大な風評被害を被ることになります(※発がんプロモーション作用自体は、がんの発症に直接関与するものではないようです)。この風評被害によってアガリクス製品を生産・販売していた多くの企業が倒産し、店頭でアガリクスを見かける機会は激減してしまいました。
その後2009年には厚生労働省から「安全宣言」が出され、アガリクスに対する濡れ衣も払拭された訳ですが…一度付いてしまったイメージを変えるのはそう簡単なことではありませんでした。それでも最近では健康効果が再び評価され始め、アガリクスを使ったサプリメントなどを見かける機会も増えてきた気がします。