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【検証編】ツタンカーメンのエンドウで炊いた豆ご飯が赤く染まる条件は?

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2年ほど前の記事で、ツタンカーメンのエンドウを使って炊いたご飯が赤く染まる理由について取り上げました。その理由についてはまだ明らかになっていないようですが、当時の記事では以下のように考察していました(※一部改編しています)。

ここからは親戚から聞いた話なので真相は定かではありませんが…さやから豆を取り出す際に「付け根の紫色の部分」を残しておくことで、より赤く染まりやすいのだそうです。

私もまだ試したことはないのですが、付け根部分を取り除いた豆を使えば赤くなりにくいということなのでしょうか…?機会があれば、実際に炊いて確かめてみるのも面白そうです。

 

そして先日、またツタンカーメンのエンドウを譲ってもらいました。せっかくなので、今回はこの説を実際に検証してみることにしました。

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まずは豆ご飯を炊こう!

冒頭で記載した説によれば、豆ご飯が赤くなるのは「付け根の紫色の部分」が深く関係しているとのことでした。今回譲ってもらった豆に関しても、紫色の部分はしっかりと付いています。
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この紫色の部分は指で簡単に取り除くことができるため、1つ1つ丁寧に分けていきます。ただ豆1個であれば何ということもないのですが…これが炊飯1回分となるとなかなか骨の折れる作業でした。

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こうして、豆部分(写真左)と付け根部分(写真右)に分離することができました。ただそれぞれの量に差が出てしまったため、豆部分は3合、付け根部分は1合の米と一緒に炊飯することにしました。なお炊飯にあたって異なるのは米の量のみで、米の研ぎ方や炊飯方法は同じ条件としました。
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こうしてそれぞれのご飯が炊き上がりました。写真左側が付け根部分と炊いたご飯、右側が豆部分と炊いたご飯です。右側の方が若干赤みがかっているようにも見えますが、ここからどのように変色していくのでしょうか?

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※我が家では五分づき米(=玄米と白米の中間)を食べているため、白米に比べるとご飯がやや茶色っぽく見えています。

 

豆ご飯の定点観察

ここからは、どの条件で炊いた豆ご飯が赤く染まるのか定点観察をしてみたいと思います。炊飯後の保管温度による違いも見てみたかったため、今回は炊いたご飯を以下の4グループに分けてみました。冒頭で記載した説が正しい場合、①や③が赤く染まり、②や④は変化が見られないはずです。

付け根部分と炊いた後、冷蔵庫で冷やした場合【写真左上】

豆部分と炊いた後、冷蔵庫で冷やした場合【写真右上】

付け根部分と炊いた後、炊飯器で保温した場合【写真左下】

豆部分と炊いた後、炊飯器で保温した場合【写真右下】

 

炊飯から約3時間経過

炊飯直後からあまり変わっていませんが、豆部分で炊いた②と④(右上と右下)がやや赤みがかっているように見えます。②と④で比較した場合、炊飯器で保温している④の方が若干変色は進んでいるようです。付け根部分で炊いた①③(左上と左下)に関しては、ほとんど変化は見られませんでした。

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炊飯から約6時間経過

先程に比べて、豆部分かつ炊飯器で保温した④(右下)の変色が進みました。この辺りで「冒頭で記載した説は間違っていたのかな…?」と感じ始めました。
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炊飯から約12時間経過

豆部分かつ炊飯器で保温した④(右下)の変色がさらに進み、私がよく知る「ツタンカーメンのエンドウの豆ご飯」になりました。一方で、同じ豆部分でも冷蔵庫で冷やした②(右上)がほとんど変色していない点はなかなか興味深いところです。

また付け根部分と炊いた①と③(左上と左下)を比較した場合、こちらも炊飯器で保温した③の方がやや赤みがかっています。

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炊飯から約18時間経過

先程からほとんど傾向は変わらず、炊飯器で保温した②と④(左下と右下)のみ変色が進みました。
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炊飯から約24時間経過

引き続き、ほとんど傾向は変わりませんでした。豆部分かつ炊飯器で保温した④に関しては、赤飯の色を超え「どす黒い色」に変わりつつあります。
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炊飯から約36時間経過

炊飯から1日半が経過しました。そろそろ中の豆ご飯を食べてしまいたいので、ここで検証を終了することにしました。

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最後に、それぞれの豆ご飯を茶碗に移してみました。改めて記載すると、それぞれの炊飯・保管方法は以下のとおりとなります。

①付け根部分かつ冷蔵庫【左上】

②豆部分かつ冷蔵庫【右上】

③付け根部分かつ炊飯器【左下】

④豆部分かつ炊飯器【右下】

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上の写真を見れば一目瞭然ですが、今回のケースでは④(右下)が最も大きく変色しました。次に変色したのは②(左下)で、①と③(左上と右上)に関してはほとんど変色しませんでした。③(右上)はやや変色しているようにも見えますが、冷蔵庫に移してからは変色がストップしてしまったようです。

 

今回の結論

検証の結果、ツタンカーメンのエンドウで炊いた豆ご飯は以下の条件で赤く変色することがわかりました。赤く変色する理由に関しては未だはっきりしていませんが、少なくとも「付け根の紫色の部分」がなくても問題なく変色するようです。

・付け根部分を取り除いてしまっても、豆部分さえあれば問題なく変色する。

・付け根部分だけで炊飯しても、若干ではあるが変色する。したがって、付け根部分と豆部分を両方残すことでより大きく変色する可能性がある。

・豆ご飯を変色させるためには、炊飯器内で保温し続ける必要がある。豆部分を使って炊飯したとしても、冷蔵庫で冷やせば変色はストップする。

 

今回はあまり見栄えが良くない写真ばかり掲載してしまいましたが、私自身やっててとても楽しかったです。今はまだ5月ですが、豆を夏まで冷凍保存しておけば自由研究のネタとしても使える…ような気がしています。


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