アタマの中は花畑

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【茶摘】歌詞に登場する「八十八夜」の意味とは?〜茶摘との関係について〜

突然ですが、皆さまは「茶摘」というタイトルの歌をご存知でしょうか。茶摘は1912年に誕生した唱歌で、私も小学生の頃に「5月の歌」として歌った記憶があります。

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さて、この歌と言えば「夏も近付く八十八夜 野にも山にも若葉が茂る〜」の歌い出しが有名ですが、この中に登場する「八十八夜」の意味が少し気になるところです。確かに歌詞としては語呂が良いのですが…何故キリの良い100などの数字ではなく、88なのでしょうか?

 

 

チャノキの概要

本題に入る前に、まずは歌のタイトルにも登場する茶の概要についてご紹介したいと思います。てっきり「チャ」だと思い込んでいたのですが…正式名称は「チャノキ」なのだそうです(※別名ではチャとも呼ばれます)。

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科・属名:ツバキ科ツバキ属

種別:常緑低木〜高木(※品種により異なる)

花色:白

花期:10〜12月

原産:インド、ベトナム、中国など

別名:チャ(茶)など

花言葉:純愛など

◎特徴:

インド・ベトナム・中国などを原産とする常緑高木だとされていますが、原産地についてはあまりはっきりしていません。北半球の熱帯〜温帯地方に分布し、日本では伊豆半島〜九州地方にかけて自生しています。品種によっては樹高5mを超える高木になることもありますが、栽培時は収穫しやすいよう樹高を抑えて管理しています。

日本では主に緑茶の原料として栽培されていますが、発酵方法や香り付けによって烏龍茶・紅茶・プーアル茶・ジャスミン茶(さんぴん茶)に加工することも可能です。

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「八十八夜」の意味について

八十八夜(はちじゅうはちや)とは雑節(※)の1つで、立春を起点としてちょうど88日目のことを指します。閏年などの影響で変動するケースもありますが、毎年5月2日前後が八十八夜にあたります(本記事を投稿した2023年に関しても、八十八夜は5月2日でした)。

※雑節:中国で設定された二十四節気(立春、春分、夏至など)を補完する目的で、日本独自に設定された節のこと。季節の変化を把握する目的で用いられている。

 

また、八十八夜は春から夏への移り変わりを示す目安として重要視されています。遅霜の影響も無くなり安定した気候となるため、昔はこの日を境に農作業を始めるケースもあったようです。さらには八十八を組み合わせると「米」という漢字になるため、農業に従事する方々にとっては特別な日として扱われてきました。キリの良い100などの数字ではなく88が用いられているのも、このような理由が関係しているのかもしれませんね。

 

茶摘と八十八夜の関係は?

冒頭でも触れたとおり、茶摘の歌詞にも「八十八夜」が登場します。前後の歌詞(夏も近づく、若葉など)を踏まえるとやはり5月頃を表していそうですが…茶摘と八十八夜には一体どのような関係があるのでしょうか。

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調べてみたところ、八十八夜である5月2日前後はちょうど新茶を収穫する時期にあたります。新茶(一番茶)とはその年に最初に伸びた新芽から作られたお茶のことで、二番茶や三番茶に比べて栄養素やうま味成分が豊富に含まれています。また先程も取り上げたとおり、農業に携わる方々にとって八十八は特別な数字の1つです。したがって、八十八夜は「縁起が良くて美味しい新茶を収穫する日」として大切にされてきました。


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