我が家でいつか育ててみたいなと思いつつ、まだ実際に植えられていない植物の1つがパッションフルーツです。先日、そんなパッションフルーツの花を植物園で見かけました。
この花を見てまず最初に感じたのが「これってトケイソウの花じゃないのか?」ということです。私の実家では以前トケイソウを育てていたのですが、パッションフルーツのようにその実を収穫して食べた記憶はありません。実際のところ、トケイソウとパッションフルーツは同じ植物なのでしょうか?
トケイソウの概要
科・属名:トケイソウ科トケイソウ属
種別:多年草
花色:白、赤、ピンク、黄、紫など
花期:5〜10月
原産:熱帯アメリカ
別名:パッションフラワーなど
花言葉:信仰、信心、聖なる愛など
◎特徴:
熱帯アメリカ原産の多年草で、現在では園芸植物として世界各地で栽培されています。厳密にはトケイソウ科トケイソウ属に属する植物の総称で、世界中に500種類以上が分布しています。一日花であるため、朝開花した花はその日のうちに萎んでしまいます。
雌しべが3つに分岐しており、それぞれが時計の長針・短針・秒針に見えることからその名が付けられました。また、イエズス会の宣教師達がこの花を「キリストの受難(トケイソウの各部位を十字架、釘、茨の冠、使徒などに見立てた)」と位置付けたことから、英名ではパッションフラワー(passion flower)と呼ばれます。
パッションフルーツの概要
科・属名:トケイソウ科トケイソウ属
種別:多年草
花色:白、紫など
花期:5〜7月、9〜10月
収穫期:6〜8月
原産:熱帯アメリカ
別名:クダモノトケイソウなど
花言葉:信仰、信心、聖なる愛など
◎特徴:
前述のトケイソウのうち、主に果実を食用とする数十種類の総称です。トケイソウをパッションフラワーと呼ぶことに対比させる形で、その名が付けられたと言われています。多年草のため厳密には野菜に分類されますが、スイカやメロンなどと同様に果物のように扱われるため「果実的野菜」と呼ぶこともあります。
品種によって紫または黄色の果実を実らせ、中に詰まった果肉を食用とします。果実の中には種がたくさん詰まっていますが、果肉と一緒に美味しくいただくことができます。国内の主な産地は鹿児島県、沖縄県、東京都(島嶼部)ですが、最近では食用を目的に本州などでも栽培されるようになりました。
◎果実的野菜についてはこちら
野菜と果物の違いについて〜スイカは野菜?それとも果物?〜 - アタマの中は花畑
トケイソウとパッションフルーツの違いは?
概要欄に記載したとおり、パッションフルーツはトケイソウの中の1品種です。そのため品種によっては「トケイソウであり、かつパッションフルーツでもある」という場合もあります。
ここでは、トケイソウとパッションフルーツの違いについて簡単にまとめてみました。
◎トケイソウの特徴(写真左)
・トケイソウ科トケイソウ属に属する植物の総称を指す
・花を鑑賞する品種、実を鑑賞する品種、実を食用とする品種などさまざまな特徴を持つ
・パッションフルーツに該当する品種を除けば、果実は食用に向かない
◎パッションフルーツの特徴(写真右)
・トケイソウのうち、主に実を食用とする品種の
総称を指す
・実を食用とするため「クダモノトケイソウ」と呼ばれることもある
・花を鑑賞する品種に比べて、幅広い葉を持つ品種が多い