雨の合間に近所を散歩していたところ、木の根元で黄色い花が咲いているのを見つけました。まるで苔のような見た目をしたこの植物は「コモチマンネングサ」と呼ばれています。
何だか不思議な名前をしていますが、一体なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか。
コモチマンネングサの概要
科・属名:ベンケイソウ科マンネングサ属
種別:越年草
花色:黄
花期:5〜6月
原産:日本、朝鮮半島、中国
別名:─
花言葉:静寂など
◎特徴:
日本・朝鮮半島・中国を原産とする多年草で、日本では東北〜沖縄地方にかけて広く分布しています。やや湿った日当たりの良い場所(田んぼの畦、耕作地など)に多く分布する一方で乾燥にも強く、道路の割れ目などで見かけることもあります。
開花後に結実することはほとんどなく、葉の付け根に形成される珠芽(ムカゴ)によって数を増やします。夏に落下したムカゴが秋に発根し、そのまま冬を越して初夏に花を咲かせます。
名前の由来は?
タイトルの通り、コモチマンネングサは漢字で「子持万年草」と記載します。このうち前半の「子持」に関しては、ムカゴによって数を増やす性質が関係しています。その様子が小さな芽を抱いているように見えることも、子持ちを連想させる理由になったのかもしれません。
またコモチマンネングサは多肉植物でもあるため、乾燥にも強く常に葉を茂らせています。その様子が「生命力が強くなかなか枯れない」ことに例えられ、後半の「万年草」の由来になったと言われています。
「マンネングサ」は多数存在する!?
今回取り上げたのはコモチマンネングサですが、「マンネングサ」と呼ばれる植物は実は多数存在します。マンネングサはベンケイソウ科マンネングサ属マンネングサ亜属に属する多肉植物の総称で、世界中におよそ400種類が分布しています。
中には「セダム」という名の園芸植物として流通している品種も多く、グランドカバーなどに重宝されています。但しコモチマンネングサのようにムカゴで増える訳ではないため、基本的には挿し芽や株分けによって増やす必要があります。
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