稲刈り手伝いのため先日実家へ帰省した際、庭の片隅でスイカらしき株を見つけました。特に苗を植えたわけでもないようなので…夏に食べたスイカの種が何かの拍子でこぼれ、そこから発芽したものと思われます。
また葉の付け根部分をよく見てみると、今にも咲きそうな雌花が付いていました。さすがに収穫は難しいかもしれませんが…もしかしたら冬が来る前に小さい実くらいはできるのでは?と少し期待してしまいます。
と、この写真を見て思ったのですが、スイカの茎や花の表面には細かな産毛がたくさん生えているものなんですね。そもそも、この産毛は何のために生えているのでしょうか?
スイカの産毛
まずは冒頭で触れたスイカの産毛について、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。つるの先に目を向けてみると、かなり多くの産毛が生えていることがわかります。特に先端部分に関しては、全体が白っぽく見えるほどの密度です。
続いて少し根元の方へ移動してみると、先端部分のような白っぽさは見られませんでした。産毛自体は生えているものの、その密度はかなり低いようです。
産毛の名前は?
実はこの産毛には「トライコーム」という列記とした名称があります(※ギリシャ語の「毛が伸びること」が語源だとされています)。トライコームは植物の表皮細胞が分化することによって形成された毛状突起のことで、葉・茎・花・実などの至るところで確認することができます。トライコームが見られるのはスイカだけではなく、トマト・カボチャ・ヒマワリ・タンポポなど多くの植物でも同様に観察できます。
▲トマトのトライコーム(参考)
トライコーム(産毛)が生えているのはなぜ?
トライコームの役割は植物によってさまざまで、主だった役割としては以下が挙げられます。いずれについても「植物自身を守るため」という点では共通しています。
・小さな害虫に食べられないようにするため
・強い日差し(紫外線)から身を守るため
・水分の蒸発(乾燥)を防ぐため
・寒さから身を守るため
・内部に水分を溜め込んでおくため など
また、中にはトライコームに虫の嫌がる成分を溜め込むことで防虫効果を発揮する植物もいます(ミント、バジルなど)。また「塩味のする野菜」としても知られるアイスプラントは、葉のトライコームの中に塩分を溜め込んでいます。
▲アイスプラント(参考)
※追伸:
夏休みに伴い、本ブログについても少しお休みをいただく予定です。今回を含めて3記事ほどは予め作成しておいた記事の自動投稿となりますが、よろしくお願いいたします。