先週末、近所の公園に立ち寄った際に「一際目立つ大きな花」を見かけました。フヨウを一回り大きくしたような見た目のこの花は、タイタンビカスと呼ばれる植物です。
「タイタンビカス」と言うと、何となくハイビスカスを連想してしまいますが…実際のところ両者は同じ仲間の植物なのでしょうか?
タイタンビカスの特徴
科・属名:アオイ科フヨウ属
種別:多年草
花色:赤、ピンク、白
花期:7〜9月
原産:日本(交配により誕生)
別名:─
花言葉:新しい恋、繊細な美、美しさ、伝統など
◎特徴:
アメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種で、株式会社赤塚植物園によって2009年に誕生しました。アメリカフヨウ(巨大花)とモミジアオイ(光沢のある花弁、大きく裂けた葉)の特徴を併せ持ち、現在では日本各地で栽培されるようになりました。品種数も徐々に増え、草丈の低い矮性種や、花を食用とする品種(エディブルフラワー)なども流通しています。
直径20cmにも達する花はその日のうちに萎んでしまう一日花ですが、シーズン中は欠かさず咲き続けます。そのため、1シーズンあたりの開花数は200輪に達することもあるようです。
タイタンビカスはハイビスカスの仲間なの?
以前投稿した記事にも関連しますが、ハイビスカスとは「アオイ科フヨウ属に属する植物全般」を指します。そのため、アオイ科フヨウ属に属するタイタンビカスも広い意味ではハイビスカスの仲間であると言えます。但し、日本では熱帯〜亜熱帯に生息する特定の品種のみをハイビスカスと呼ぶことが多いため、タイタンビカスとハイビスカスを関連付けて考える方は少ないのかもしれません。
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タイタンビカスとハイビスカスの違いは?
広い意味では「ハイビスカス」とも呼べる両者ですが、タイタンビカスとハイビスカス(※)には以下のような違いがあります。タイタンビカスは北海道でも地植えできるほど耐寒性に優れるため、「北国でも南国気分を味わいたい!」という場合は取り入れてみても良いかもしれません。
※ここでは、熱帯〜亜熱帯に生息する一般的なハイビスカスを指します。
◎タイタンビカスの特徴(写真左)
・冬季には地上部が全て枯れる多年草(宿根草)
・花の直径は15〜25cm程度
・耐寒性に優れ、北海道でも地植えが可能
◎ハイビスカスの特徴(写真右)
・冬季でも葉を茂らせる常緑低木
・花の直径は10〜15cm程度
・寒さに弱い(耐寒温度は5〜10℃程度)ため、九州以北の多くの地域では室内での冬越しが必要