アタマの中は花畑

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【薮蘭】ヤブランはランの仲間なのか?

最近、道端でヤブランの花をよく見かけるようになりました。お世辞にも目立つような花ではありませんが、それでも一斉に咲くとなかなか見応えがあります。

そんなヤブランですが、「ラン」と言うからにはランの仲間なのでしょうか?今回は、ヤブランとランの違いについて少しだけご紹介したいと思います。

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ヤブランの概要

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科・属名:キジカクシ科(ユリ科)ヤブラン属

種別:多年草

花色:紫、白、ピンク

花期:8〜10月

原産:日本、中国、朝鮮半島など

別名:リリオペ、サマームスカリなど

花言葉:隠された心、忍耐など

◎特徴:

日本、中国、朝鮮半島などを原産とする多年草で、日本では関東〜沖縄地方にかけて分布しています。元々はユリ科に属していましたが、近年の見直しによりキジカクシ科へと変更されました。

半日陰でも丈夫に育つため、やや日当たりが悪い場所の下草や縁取りによく用いられています。完全な日陰でも栽培自体は可能ですが、日当たりが悪過ぎると花付きは悪くなってしまうようです。

 

ヤブランはランの仲間なのか?

概要蘭でもご紹介したとおり、ヤブランはキジカクシ科ヤブラン属に属する植物です。一方でランはラン科の植物の総称を指すため、植物学上はヤブランとランは全く異なる植物ということになります。それでは、ヤブランはなぜ「ラン」と名付けられたのでしょうか?

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▲ランの花(参考)

 

ヤブランの名前の由来に関しては、その性質と見た目が深く関係しています。やや日当たりの悪い場所に自生することから「ヤブ(薮)」、細長い葉がランに似ていることから「ラン(蘭)」が付けられ、現在ではヤブラン(薮蘭)と呼ばれるようになりました。

なお海外では、ヤブランのことをBig blue lilyturfなどと呼びます。Lilyturfを直訳すると「芝状のユリ」となるため、海外ではランよりも芝生(下草)のようなイメージが強いのかもしれません。

 

斑入りヤブランについて

日本にはヤブラン、ヒメヤブラン、コヤブランの3種類が分布していますが、この他にも園芸品種が多数存在します。最も有名なのが「斑入りヤブラン」と呼ばれる品種で、その名の通り葉の一部に白〜黄色の斑が入っている点が特徴です。一般的なヤブランに比べて明るい印象を与えるため、葉だけでも十分に楽しむことができます。

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なお緑色の葉には葉緑素(クロロフィル)が多く含まれるのですが、斑の部分にはこの葉緑素が存在しません。そのため、斑入りヤブランは一般的なヤブランよりも光合成の能力が低いような気がしてしまいますが…半日陰程度であればそれほど影響はないようです。

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白斑ヤブラン (シルバードラゴン)