今回はこちらの「ずんだ餅」に関する話題です。私自身、昔はあんこ全般が苦手だったのですが…その後克服し、今では好きな食べ物の一つです。
さて、そんなずんだ餅と言えば鮮やかな緑色のあんこが何よりの特徴ですよね。一般的なあんこは小豆を原料としていますが、ずんだ餅の「ずんだ」は一体何から出来ているのでしょうか?
「ずんだ」の正体は?
なかなか聞き慣れない名前なので特別な豆を使っているかと思いきや…ずんだの主な原料は枝豆なのだそうです(※中には空豆などを原料とするケースもあります)。一般的には茹でた枝豆をすり潰し、砂糖や塩を混ぜ込むことであんこを作ります。ずんだを使った食品としては冒頭で取り上げたずんだ餅が有名ですが、近年ではお菓子やケーキなどのスイーツにもよく用いられるようになりました。
なお、ずんだに似たあんことして「うぐいす餡」がよく挙げられますが…こちらは青エンドウ(グリーンピース)を原料としているため別物です。
「ずんだ」の名前の由来は?
「ずんだ」という一見変わった名前の由来は諸説あり、主だったものとしては以下が挙げられます。この関係で、ずんだ餅のルーツである東北地方ではじんだ餅、じんだん餅、ずんだん餅などと呼ばれることもあります。
・甚太(じんた)という農夫が最初に作った説
・伊達政宗公が陣太刀(じんたち)の柄で枝豆をすり潰していた説
・豆を打つ音(豆ん打(ずんだ)、豆打(ずだ))を表した説 など
ずんだ餅が仙台名物になったのはなぜ?
冒頭で取り上げたずんだ餅は、牛タン・笹かまぼこと並んで三代仙台名物の一つとして数えられています。ということは、その原料である枝豆も多く生産されていそうですが…意外とそうでもないようです。参考までに都道府県別の生産量を調べてみたところ、上位5道県は群馬県・北海道・千葉県・埼玉県・山形県で、宮城県は10位に留まっていました(※2020年時点)。それでは、枝豆の生産量がそれほど多くない宮城県(仙台)でずんだ餅か有名になったのは一体なぜなのでしょうか?
これにはずんだ餅の開発経緯が深く関わっています。ずんだ餅が最初に登場したのは戦国時代のことで、元々は仙台に限らず南東北全域でよく食べられていました。ただ当初は各家庭で作ることがほとんどで、餅屋・団子屋でも季節商品として一部販売される程度だったのですが…1989年に大きな転機が訪れました。仙台の食品メーカーが冷凍ずんだ餅を開発し、ふるさと子包として通年販売を始めたことで「ずんだ餅=仙台」というイメージが定着したとされています。それから30年以上経った現在でもその立ち位置は変わらず、三大仙台名物としても地位を維持し続けています。
枝豆(大豆)の概要
最後に、ずんだの主な原料である枝豆の概要についても簡単にご紹介しておきます。
科・属名:マメ科ダイズ属
種別:一年草
花色:紫、白、ピンクなど
花期:5〜8月
収穫期:10〜11月
原産:中国東部〜シベリア
別名:オオマメ、味噌豆、枝豆など
花言葉:必ず来る幸せ、親睦など
◎特徴:
古くから親しまれている野菜の一つで、大豆に関してはそのまま食用にするほか、味噌・醤油・豆腐・納豆・豆乳などさまざまな加工もされています。栄養価なとても豊富で、そのタンパク質の含有量の多さから「畑の肉」とも呼ばれます。
大豆と枝豆の主な違いは収穫時期であり、豆が未熟なうちに収穫したものが枝豆、熟し切ってから収穫したものが大豆です。世界的に見れば枝豆を食用するケースは稀で、日本・中国・台湾など、一部の国と地域に限られます。
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