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前回の記事の中で、クヌギの由来の1つに「実を食用とする=食之木(クノキ)」があることをご紹介しました。私も小さい頃にクヌギの実をよく拾っていたものですが、拾った実を食べようとはこれまで一度も考えたことがありませんでした。一方で、一部のドングリ(スダジイなど)に関しては両親が食べていた話を聞いていたので、炒って食べたことがあります。
実が食べられるかどうかは品種によってまちまちなので、今回は食べられるドングリ・食べられないドングリを整理してみることにしました。
「ドングリ」の定義について
まずはドングリの定義について、以前投稿した記事から引用する形でご紹介します。ドングリとはブナ科の果実の総称(※)で、世界中で132種類、日本ではうち22種類が分布しています。「ドングリ=種子」というイメージを持ちがちですが、実は種子ではなく果実です。落ちているドングリを例に挙げると、茶色の部分が果皮、中に入っている黄色の部分が種子に該当します(果肉はほとんど発達しない)。また、ドングリの下半分あるいは全体を覆う帽子のような部分は殻斗(かくと)と呼ばれます。
※ブナ科に属する植物のうち、栗、ブナ、イヌブナなどは「ドングリ」と区別されることもあります。
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食べられるドングリの一覧
ここからは日本に分布するドングリ22種類について、食べられる品種と食べられない品種に分類してみたいと思います。まず食べられるドングリとしては、クリ属・シイ属・マテバシイ属のほか、コナラ属の一部(シラカシ)も含めた合計6種類が挙げられます。これらの品種はアク(主にタンニン)の含有量が少なく、現在でも食用とされています。
・イチイガシ(コナラ属)
・クリ(クリ属)
・シリブカガシ(マテバシイ属)
・スダジイ(シイ属)
・ツブラジイ(シイ属)
・マテバシイ(マテバシイ属)
▲スダジイ
▲マテバシイ
食べられないドングリの一覧
そしてイチイガシを除くコナラ属全てと、ブナ属に属する合計16種類に関してはアクの含有量が多く、あまり食用には向いていません。冒頭で挙げたクヌギもしっかりアク抜きをすれば、食べること自体は可能ですが…手間を要するため現在ではほとんど食用にされていないようです。
・アカガシ(コナラ属)
・アラカシ(コナラ属)
・アベマキ(コナラ属)
・イヌブナ(ブナ属)
・ウバメガシ(コナラ属)
・ウラジロガシ(コナラ属)
・オキナワウラジロガシ(コナラ属)
・カシワ(コナラ属)
・クヌギ(コナラ属)
・コナラ(コナラ属)
・シラカシ(コナラ属)
・ツクバネガシ(コナラ属)
・ナラガシワ(コナラ属)
・ハナガガシ(コナラ属)
・ブナ(ブナ属)
・ミズナラ(コナラ属)
▲ウバメガシ
▲コナラ