◎前回の記事はこちら
既に節分(2月3日)は過ぎてしまっていますが…前回に引き続き、今回も節分に関連しそうな話題をお送りします。
前回は節分の際に飾り付ける植物としてヒイラギ(柊)をご紹介しましたが、実は名前に「節分」が付く植物も実在します。例えばこちらの花はセツブンソウと呼ばれる植物ですが、本当に節分と関係しているのでしょうか?
セツブンソウの概要
科・属名:キンポウゲ科セツブンソウ属
種別:多年草(球根植物)
花色:白(厳密には萼片の色)
花期:2〜5月
原産:日本
別名:エランティス、イエニレなど
花言葉:気品、高貴、微笑み、人間嫌いなど
◎特徴:
日本原産の多年草で、日本では関東〜沖縄地方にかけて分布しています。可憐な花を咲かせるため人気が高いですが、近年は盗掘や環境破壊によって個体数を減らしており、絶滅危惧種にも指定されています。花弁のように見える部分は実は萼片で、内側の黄色い部分(蜜腺)が本来の花弁にあたります。
同じキンポウゲ科セツブンソウ属に属する植物としては、南ヨーロッパ原産のキバナセツブンソウが挙げられます。見た目や大きさはセツブンソウに似ていますが、こちらは黄色い花を上向きに咲かせます。
▲キバナセツブンソウ(参考)
名前の由来は?
セツブンソウという名前は、節分の頃から開花することに由来しています。そのため、セツブンソウと節分の間には切っても切れない関係があると言えます。ただセツブンソウの花期は2〜5月頃と長く、温暖な地域以外では節分を迎えてもなかなか開花しないことが多いようです。
また概要欄でも触れた通り、セツブンソウには気品・高貴・微笑みのほか「人間嫌い」といった花言葉もあります。これは節分の時期に豆を投げられ、追い払われた鬼の気持ちを表しているとされています。なお花言葉の由来には諸説あり、他には「人里離れてひっそりと咲くこと」「初夏には休眠期に入ってしまうため、春先の限られた期間しか地上に姿を現さないこと」なども挙げられます。
名前に「季節」が付く植物達
今回取り上げたセツブンソウのように、名前に「季節」が付く植物を最後にいくつかご紹介したいと思います。但し春・夏・秋・冬は候補が多過ぎるため、ここでは割愛しています。
・セツブンソウ(節分草):2〜5月に開花
・キサラギナ(如月菜):タアサイの別名。2月に収穫
・サツキ(皐月):5月頃に開花
・ヒガンバナ(彼岸花):9月に開花
・ジュウガツザクラ(十月桜):10〜4月に開花