年度が変わり、今月から新しい生活に入った方も多いのではないでしょうか。オープンしたてのお店や事務所もよく見かけますが、そんな場面でよく見かけるのがこちらのコチョウラン(胡蝶蘭)です。
コチョウランと言えばお祝い事の際によく贈られる印象ですが、数ある植物の中でコチョウランが選ばれているのは一体なぜなのでしょうか?
コチョウラン(胡蝶蘭)の概要
科・属名:ラン科コチョウラン属
種別:多年草
花色:白、ピンク、黄など
花期:4〜5月
原産:東南アジア
別名:ファレノプシスなど
花言葉:幸福が飛んでくるなど
◎特徴:
ラン科コチョウラン属に属する多年草の総称ですが、他属のランも含めて「洋ランの1カテゴリ」として扱われることもあります。台湾〜インドネシアを中心とした東南アジアを原産とし、森林の木に貼り付いて生息しています(着生植物)。花弁が羽を広げた蝶のように見えることからその名が付けられ、花言葉(幸福が飛んでくるなど)に関しても蝶の舞う姿が由来となっています。
お祝い事の際にコチョウランを贈るのはなぜ?
贈答品としてコチョウランが好まれるのには、花言葉が大きく関係しています。コチョウランの花言葉は先程も触れた「幸福が飛んでくる」などで、開業や就任の際の縁起物としてビジネスシーンを中心に広く用いられています。また他にも、以下のような理由が関係しているようです。
・花待ちが良く、長く楽しめるため
・花粉や香りが少ないため
・鉢植え=幸せが根付くイメージがあるため
・年中流通しており、価格変動が少ないため
なお、贈答用として用いられるコチョウランには大きく白、ピンク、黄、紫、青、赤白(リップ系)の6色があり、それぞれ利用シーンが異なります。中でも白いコチョウランは利用シーンが幅広く、ビジネスシーンでは白い花をよく見かけます。また赤系統の花は火事を連想させてしまうため、開業祝いや開店祝いには向かないとも言われています。
◎白いコチョウラン
・花言葉:純粋、清純
・利用シーン:結婚式、開業祝い、お葬式、法事など多数
◎ピンクのコチョウラン
・花言葉:あなたを愛します
・利用シーン:女性への告白、プロポーズ、結婚記念日、母の日など
◎黄色いコチョウラン
・花言葉:─
・利用シーン:開業祝い、開店祝いなど
◎紫のコチョウラン
・花言葉:─
・利用シーン:敬老の日、長寿のお祝い、お葬式、法事など
◎青いコチョウラン
・花言葉:尊敬
・利用シーン:昇進祝い、退職祝い、父の日、敬老の日など
◎赤白のコチョウラン
・花言葉:─
・利用シーン:当選祝い、長寿祝いなど
青いコチョウランは実在するの?
概要欄でも触れたとおり、一般的なコチョウランの花色は白やピンクです。ところが、お祝い事の際に贈られるコチョウランに関しては黄、紫、青などさまざまな花色を持っています。黄や紫はまだしも、青い花を持つコチョウランは本当に実在するのでしょうか…?
そこで青いコチョウランについて調べてみたところ、どうやら白いコチョウランに青色の染料を与えることで、人工的に花色を変えているようです。染料を吸い上げさせて花色を変えている点に関しては、以前ご紹介したレインボーフラワーとも共通しています。この原理を使えば、ある程度の花色は実現できそうな気がしますね。
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【レインボーフラワー】虹色の花はどうやって作る?作り方と適した花について - アタマの中は花畑
なおコチョウランに関しては品種改良が進んでおり、近年は青に近い花色を持つ品種も流通するようになりました。ただチューリップやバラと同様、「真っ青な花」の開発はまだ先のお話になりそうです。