アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【根粒菌】マメ科の植物を育てるだけで肥料になる!?〜根粒菌の正体とは?〜

◎前回の記事はこちら

【大豆・枝豆】意外と知らない!?大豆(枝豆)の花はどんな色? - アタマの中は花畑

 

つるぼけに悩まされた我が家の枝豆ですが、何とか収穫まで漕ぎつけることができました。思っていたよりは多くの実が収穫できそうで、ひとまずホッとしています。

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収穫した枝豆は早速塩茹でにしていただきました。長男が大の枝豆好きなこともあり、このくらいの量であればあっという間になくなってしまいます。
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さて、今回はそんな枝豆の実…ではなく根に関する話題です。枝豆をはじめとするマメ科の植物の根には「根粒菌」が寄生しており、これが畑の肥料になる!といった話を耳にすることがあります。この根粒菌とは一体何者なのでしょうか?

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根粒菌の概要

根粒菌(こんりゅうきん)とはマメ科の植物の根に住み着く微生物の一種で、根粒バクテリアとも呼ばれます。マメ科の植物に寄生することで根粒と呼ばれる器官を根に作ってもらい、その中に住み着くことで共生しています。

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マメ科の植物を育てるだけで肥料になるのは本当?

この説について説明する前に、まずは根粒菌の役割について触れておこうと思います。根粒菌は根の部分にできた根粒の中に住み着いているのですが、ここで光合成によって得られた養分を植物側から受け取っています。これだけでは単なる寄生になってしまうのですが、根粒菌にはこの養分を使って大気中の窒素をアンモニアに変換する役割があります(この役割を窒素固定と呼びます)。このアンモニアを今度は植物へ与えることで、植物を大きく成長させることができます。マメ科の植物は痩せた土壌でもよく育つと言われますが、これは根粒菌の働きによるものだと考えられます。

 

ここでようやく先程の説に戻るのですが、マメ科の植物が肥料になるというのは本当です。マメ科の植物を撤収する際、根には根粒がたくさん付いているのですが、根粒の中には根粒菌が変換したアンモニア(窒素成分)がたくさん含まれています。したがって、根粒の付いた株を土と混ぜる(すき込む)ことによって、天然肥料としての役割を果たすことになります。同じマメ科のレンゲやクローバーが緑肥として重宝されていますが、これらは根粒菌の働きを最大限に活用したものです。

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◎緑肥についてはこちら

【緑肥】育てるだけで肥料になる!?〜我が家でもシロツメクサを育ててみよう!〜 - アタマの中は花畑

 

ここまでの内容をざっくりまとめると、

・マメ科の植物と根粒菌は切っても切れない関係である。

・私達人間にとって、根粒菌は大気中の窒素を天然肥料に変えてくれるありがたい存在である。

と言えそうです。

 

根粒菌はどこからやって来るの?

普段、根粒菌は土の中に潜んでいます。マメ科の植物と共生する時に限り根粒の中に住み着きますが、それ以外の期間については、土の中でほとんど増殖もすることなく生きているのだそうです。

 

マメ科以外の植物にも住み着くの?

一部例外もあるようですが、根粒菌が住み着く植物のほとんどがマメ科だと言われています(品種によっては、マメ科の植物であっても根粒菌が住み着かない場合もあります)。

 

マメ科の植物に限って根粒菌が住み着くことについても、いくつかの研究が進められています。細かい内容については割愛しますが、マメ科の植物と根粒菌は互いの存在を知らせるための物質を出し合っており、その物資を感知した上で共生を始めるのだそうです。