皆さまは「この木なんの木 気になる木」のフレーズでお馴染みのテレビCMを見かけたことはありますでしょうか。少なくとも私が物心ついた頃からテレビで放映されているため、かなり歴史のあるCMかと思っています。当時は流れている字幕が全く読めなかったため、背景の木ばかり見ていましたが。。。
流れているフレーズのとおり、このCMには1本の巨大な木が映し出されています。CMによるとかなり巨大な木で、ピンク色の花を咲かせるようですが…この木の正体は一体何なのでしょうか?
「この木なんの木」のCMとは?
冒頭で取り上げたこのCMは「日立の樹」と呼ばれ、その名のとおり日立グループを代表するCMです。内容は、1本の大樹を背景に日立グループに属する企業名が流れ続けるものですが、その単純かつインパクトのあるCMは一度目にしたらきっと強く印象に残るはずです。本CMが初めて放映されたのは1973年で、約半世紀もの間親しまれてきました。CM中に流れる楽曲はその名のとおり「日立の樹」という曲名で、カラオケでも歌うことができます(※私調べ)。
現在では、TBS系列の「日立世界ふしぎ発見!」などで見かけることができます。
CM中に出てくる大樹は日立グループの力強さをイメージしたものとされ、この木の正体については(CM中では)明らかにされていません。なお、製作時は日立グループのイメージに合致した木がなかなか見つからず、最初期はアニメーションの木が採用されていました。このような背景などから「この木なんの木?」というフレーズが生まれたとされています。
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「この木なんの木」の正体は?
結論から言うと「この木なんの木(日立の樹)」のCMで取り上げられた木は複数本存在します。その中でも、私がよく知るピンク色の花を咲かせる木の正体はモンキーポッド(別名:アメリカネムノキ)と呼ばれる樹木です。この木はアメリカのハワイ州・オアフ島のモアナルア・ガーデンパークに生えており、樹齢は約130年と言われています。樹高は約25m、幅は約40mもあり、遠くから見てもその存在感は抜群です。
なお「日立の樹」に登場した歴代の樹木は以下のとおりです。架空の木も含めると全部で5種類の樹木が採用されており、1984年以降はモンキーポッドが放映され続けています。私がモンキーポッドのイメージしか持っていなかったこともある意味納得です。
①1973〜1975年:架空の木(アニメーション)
②1975〜1978年:モンキーポッド
→アメリカのハワイ州・オアフ島の木
③1979〜1980年:マンゴー
→アメリカのハワイ州・ハワイ島の木
④1981〜1982年:バニヤンツリー
→シンガポール北部の木
⑤1982〜1984年:カリフォルニアオーク
→アメリカ・ロサンゼルス州の木
⑥1984年〜現在:モンキーポッド
→②と同一の木
モンキーポッドの概要
最後にモンキーポッドの概要について簡単にご紹介したいと思います。
科・属名:マメ科ネムノキ属
種別:常緑高木
花色:ピンク、薄黄
花期:5月、11月
原産:中南米
別名:アメリカネムノキ、レインツリーなど
花言葉:歓喜、胸のときめきなど
◎特徴:
中南米原産の常緑高木で、猿がこの木の実を好んで食べることから猿のさや=モンキーポッドと名付けられたとされています。花色はピンク〜薄黄で、年に2回開花します(5月頃、11月頃)。また雨が降る前に葉を閉じる性質があることから、レインツリーと呼ばれることもあります。
成長スピードが非常に早く、日立の樹でもお馴染みのアメリカ・ハワイ州では侵略的外来種に指定されています。