元々私は食べ物の好き嫌いが多く、漬物もその1つに入るのですが…何故かたくあんだけは昔から食べることができます(※現在はもう少し克服しました)。小学生時代の給食でよく出てきた記憶があり、もしかしたら周りの友達の影響で自然と食べるようになっていたのかもしれません。
そんなたくあんですが、作り方によっては鮮やかな黄色をしているものもあります。元の大根はもちろん白色ですが、どのようにして黄色く着色されているのでしょうか。
たくあんが黄色いのはなぜ?
たくあん(沢庵)とは日本の代表的な漬物の一つで、干した大根を塩や糠によって漬けたものです。主な生産地は関東地方や九州地方で、「沢庵漬け」「たくわん」などと呼ばれることもあります。
たくあんと言えば鮮やかな黄色ですが、これは大根に含まれる辛味成分が深く関係しています。この成分には元々色が付いていませんが、塩や糠に漬け込むことで分解が進み、次第に黄色く発色するようになります。この発色こそが、たくあんの色の正体です。
なお、以下の条件を満たすことで発色がより活発に進みます。つまり①〜③を満たすほど、より鮮やかな黄色のたくあんとなります。
①大根に含まれる辛味成分が多い
②塩や糠で漬け込む期間が長い
③漬け込み期間中は低温でじっくり熟成させる
黄色い着色料は使っているの?
先程の内容を踏まえると、たくあんの黄色は大根本来の辛味成分によるものです。そのため、辛味成分が少ない大根でたくあんを作った場合、綺麗に発色しないことがあります。そこで、たくあんの中にはウコンやクチナシなどの天然色素によって黄色く着色しているものもあります(※)。ちなみに私の実家でも、クチナシの実を使ってたくあんを着色しています。
※中には人工着色料を使うケースもあります。
▲ウコン(参考)
▲クチナシの実(参考)
着色された漬物は他にも…
今回はたくあんを取り上げましたが、たくあん以外にも色鮮やかな漬物は多数存在します。ここでは、代表的な漬物と着色料の組み合わせをいくつかご紹介したいと思います。
・梅干し(赤紫)→赤紫蘇
・キムチ(赤)→赤唐辛子
・柴漬け(赤紫)→赤紫蘇
・つぼ漬け(黄)→ウコン、クチナシなど
・なす漬け(青紫)→茄子本来の色素
・紅しょうが(赤)→人工着色料
・福神漬け(赤)→人工着色料
・青かっぱ(きゅうり)漬け(緑)→人工着色料
・奈良漬け(茶)→発酵過程で自然着色
※今回記載した内容はあくまで一例であり、上記以外の材料で着色しているものもあります。
ミナリクチナシ(実成りクチナシ) 大苗 5寸ポット植え