相変わらず寒い日が続いていますが、近所の草むらではタンポポの花が咲いていました。タンポポといえば春に咲くイメージですが、こうして冬に開花することもあります。
ただ春に開花する花とは異なり、今回の花は花茎が極端に短いことに気付きました。この時期のタンポポは地面すれすれの場所で開花することが多いですが、何か理由があるのでしょうか?
セイヨウタンポポの概要
まずは、日本で最もよく見かけるセイヨウタンポポについて簡単にご紹介したいと思います。
科・属名:キク科タンポポ属
種別:多年草
花色:黄
花期:年中(特に3〜9月)
原産:ヨーロッパ
別名:ショクヨウタンポポ(食用タンポポ)、ダンデライオンなど
花言葉:愛の神託、真心の愛、幸福など
◎特徴:
ヨーロッパ原産の帰化植物で、繁殖力が非常に強いことから日本では「侵略的外来種ワースト100」に指定されています。日本固有のニホンタンポポも同様に分布していますが、花の外側の萼(総苞片)で見分けることができます。(※セイヨウタンポポは総苞片が開いており、ニホンタンポポは総苞片が閉じている)
太い根を地下に真っ直ぐ伸ばす性質があり、長いものでは1m以上に達するものもあります。そのため、一度定着してしまうと駆除が難しいことでも知られています。
冬に咲く花の花茎が短いのはなぜ?
冒頭でも触れたとおり、冬に見かけるタンポポの花の多くは花茎を持たず、地面すれすれの場所で開花します。この時期特有の現象である気がするのですが、これには何か理由があるのでしょうか。
実はこの現象は「タンポポなりの省エネ」によるものだと言われています(※)。冬の間は光合成によるエネルギーが得られにくいこともあり、敢えて花茎の生成に使うエネルギーを節約しています。冬の間はこうしてエネルギーを溜め込み、春の到来をじっと待っているのだそうです。
※このほか、以下のような理由が挙げられる場合もあります。
・寒さや乾燥から花を守るため
・冬の間は周辺に草丈の高い植物が生えていないため
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春になると一気に花茎を伸ばすのはなぜ?
冬を乗り越えて春を迎えると、タンポポは花茎を伸ばして開花するようになります。ところがその多くは、開花するごとに徐々に花茎を長くしていくのではなく、春になった途端一気に花茎を伸ばします。
実は、ここにもタンポポなりの戦略が関係していると言われています。春を迎えた直後は他の草花がまだ十分に伸びていないため、タンポポはいち早く花茎を伸ばして開花します。こうすることにより、他の草花に邪魔されることなく開花し、種を飛ばすことができます。
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