今朝、通勤時に通り掛かる公園の片隅でネジバナを見つけました。かなり草に巻かれているものの、鮮やかなピンク色の花は遠くから見ても結構目立ちます。
そんなネジバナといえば、螺旋状に花を咲かせる点は大きな特徴ですよね。名前の由来にも関わっていそうですが…なぜ螺旋状に開花するようになったのでしょうか?
ネジバナの概要
科・属名:ラン科ネジバナ属
種別:多年草
花色:ピンク
花期:5〜8月
原産:東アジア
別名:モジズリなど
花言葉:思慕など
◎特徴:
東アジア原産の多年草で、日本では北海道〜九州にかけて広く分布しています。日当たりの良い平地を好み、ラン科の植物としては珍しく市街地でも見かけることができます。
ネジバナの根は菌と共生する性質(菌根)を持っており、菌とのバランスの関係上、多年草にしては比較的寿命が短いとされています。また共生する菌がイネ科の植物周辺に多く存在することから、ネジバナもイネ科の植物(芝生など)が生える場所を好む性質があります。
名前の由来は?
冒頭でも触れたとおり、螺旋状に花を咲かせることからその名前が付けられました。学名ではスピランテス(=螺旋の花)英語ではscrew flower(=こちらも螺旋の花)とそれぞれ表記するため、その認識は世界共通のようです。
また別名であるモジズリは、忍捩摺(しのぶもじずり)と呼ばれる絹織物に由来しています。忍捩摺もやはりねじれ模様が特徴で、こちらも花の咲き方から名付けられたようです。百人一首の歌にも登場していることから(陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れんと思ふ 我ならなくに)、ネジバナが古くから親しまれている花であることが伺えます。
螺旋状に花を咲かせるのはなぜ?
ここまでの内容から、ネジバナという名前は花の咲き方が由来になっていることがわかりました。では、ネジバナはなぜ螺旋状に花を咲かせるのでしょうか?
少し調べてみたのですが、螺旋状に花を咲かせる理由についてはあまり明確にされていないようです。確証はないのですが、以下のような理由が関係しているのでは?と言われています。
・茎の重心を中央に保つため
・花同士の間隔を空けることで自家受粉を避けるため
・ネジバナの茎(成長点)自体が捻れているため
ちなみにネジバナの「捻れ方」は決まっておらず、株によってさまざまです。何回も捻れている花、ほとんど捻れていない花、右巻きの花、左巻きの花などがあり、観察してみるとなかなか楽しいものです。なお、右巻きと左巻きの出現確率はおおよそ1:1と言われています。
山野草の苗/ネジバナ(モジズリ):レブンモジズリ2.5号ポット