※今回はテントウムシの写真を多めに掲載しています。虫が苦手な方はご注意いただければと思います。
いつものように家庭菜園の野菜達を観察していたところ、鷹の爪(唐辛子)の葉にテントウムシがとまっていました。こちらはニジュウヤホシテントウと呼ばれる種類で、植物の葉を食い荒らす害虫としてよく扱われています。
そして、別の場所ではナナホシテントウを見つけました。こちらは植物の茎や葉に付いたアブラムシを食べてくれるため、益虫として扱われることが多い印象です。
我が家の敷地内だけでも複数のテントウムシが生息していますが、種類によって益虫か害虫かはさまざまです。そこで今回は、羽に付いた星の数と益虫・害虫の関係についてまとめてみることにしました。
テントウムシの概要
テントウムシはコウチュウ目テントウムシ属に属する昆虫の総称で、世界中で約6000種類、日本にはこのうち180種類ほどが生息しています。羽にはさまざまな模様が付いており、斑点模様に関しては「星」と呼ばれることもあります。
テントウムシは枝などの先端に向かって歩く性質があり、その頂点に達すると飛び立つことがあります。この性質が「太陽(天道)に向かって飛んでいく」ように見えることから、天道虫=テントウムシと名付けられました。
星の数と益虫・害虫の関係は?
私自身、昆虫に関してはそれほど詳しいわけでは無いのですが…日本に生息する代表的なテントウムシについて簡単にまとめてみたいと思います。なお今回は、家庭菜園やガーデニングを行う立場で益虫・害虫を区別しています。ざっくり言い換えると、ここでは肉食の種類を益虫、草食の種類を害虫としています。
・益虫:植物に寄生した虫や菌を食べる種類
・害虫:植物の葉や茎を食べる種類
星0個
名前:キイロテントウ
区分:益虫
特徴:羽は黄色1色で、日本全国に分布する。うどんこ病の原因となる菌類などを捕食する。
星2個
名前:ナミテントウ
区分:益虫
特徴:ナミテントウのうち「二紋型」と呼ばれる種類。日本全国に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。
名前:ヒメアカホシテントウ
区分:益虫
特徴:体長・星の大きさともにナミテントウより小型。北海道〜九州に分布し、葉に寄生したカイガラムシなどを捕食する。
星4個
名前:ナミテントウ
区分:益虫
特徴:ナミテントウのうち「四紋型」と呼ばれる種類。日本全国に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。
星7個
名前:ナナホシテントウ
区分:益虫
特徴:日本では最も一般的な種類。日本全国に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。遺伝により星の小さな個体も存在する。
星8個
名前:カメノコテントウ
区分:益虫
特徴:日本に生息するテントウムシの中では最大級で、体長が1cmを超える固体もある。北海道〜九州に分布し、葉に寄生したハムシなどを捕食する。
星10個
名前:トホシテントウ
区分:害虫
特徴:北海道〜九州に分布し、ナス科の植物(ナス、ジャガイモ、ピーマンなど)の葉を食い荒らす。後述するニジュウヤホシテントウよりは個体数が少ない。
星12個
名前:ナミテントウ
区分:益虫
特徴:ナミテントウのうち「斑型」と呼ばれる種類。星の数は12個程度だが、遺伝により模様や数が異なる。日本全国に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。
名前:ムーアシロホシテントウ
区分:益虫
特徴:北海道〜九州に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。ムーアシロホシテントウによく似た「シロホシテントウ」も存在し、こちらも星は12個(※前者は前胸背に点が4つ、後者は2つ)。
星14個
名前:シロジュウシホシテントウ
区分:益虫
特徴:シロホシテントウの仲間だが星の数が異なる。北海道〜九州に分布し、白渋病の原因となる菌類などをを捕食する。
星16個
名前:ハラグロオオテントウ
区分:益虫
特徴:日本最大のテントウムシで、カメノコテントウよりもやや大きい。関東〜九州に分布し、桑の木に寄生したクワキジラミを捕食する。
星19個
名前:ナミテントウ
区分:益虫
特徴:ナミテントウのうち「紅型」と呼ばれる種類。赤色の羽に黒い斑点模様が付いており、星の数は最大で19個。日本全国に分布し、葉に寄生したアブラムシなどを捕食する。
星28個
名前:ニジュウヤホシテントウ
区分:害虫
特徴:関東以西の平地に分布し、ナス科の植物(ナス、ジャガイモ、ピーマンなど)の葉を食い荒らす。
名前:オオニジュウヤホシテントウ
区分:害虫
特徴:ニジュウヤホシテントウよりやや大型で、北海道〜九州(関東以西は主に高地)に分布する。こちらもナス科の植物の葉を食い荒らす。

てんとうむし大作戦 野菜を守れ! [ 谷本雄治 ]