先日実家に帰省した際、庭先でゴーヤのような葉を見つけました。気になってもう少し観察してみると…
ゴーヤとは全く異なる見た目の実がいくつも付いていました。まるで作り物のようなこちらの実は、オキナワスズメウリと呼ばれる植物のものです。実の大きさはミニトマトほどですが、小さなスイカのような見た目で実は美味しいのかもしれません。
私自身、オキナワスズメウリの実物を見るのは今回が初めてだったのですが、収穫した実は美味しく食べることができるのでしょうか?
オキナワスズメウリの概要
科・属名:ウリ科オキナワスズメウリ属
種別:一年草
花色:黄
花期:7〜8月
原産:熱帯アジアなど
別名:リュウキュウスズメウリ、リュウキュウオモチャウリなど
花言葉:いたずら好きなど
◎特徴:
熱帯アジアなどを原産とする一年草で、日本では沖縄地方に自生しています。「沖縄に生えるスズメウリ(ウリ科スズメウリ属)に似た植物」ということでその名が付けられ、実は熟すと鮮やかな赤色になります。つるがよく伸び葉も大きいことから、近年ではグリーンカーテン用の植物としても採用されています。
「オキナワ」という名の通り寒さにはかなり弱く、沖縄以外の地方では遅霜の心配が無くなった頃(GW明け頃〜)に植え付ける必要があります。一方で、植え付け時期が大きく遅れると実が熟す前に寒さで枯れてしまうこともあります。
▲スズメウリ(参考)
オキナワスズメウリの実は食べられるの?
真っ赤に熟した実を見るとつい食べたくなってしまいますが、オキナワスズメウリは有毒植物なので決して口にしないようにしましょう(※その有毒性から、中国では毒瓜と呼ばれているようです)。果実や根を中心にククルビタシンと呼ばれる有毒成分を含み、摂取すると嘔吐や下痢、腹痛などを引き起こします。なおククルビタシンは強烈な苦味を持つため、仮に口にしたとしても苦くて美味しくないようです。
名前に「スズメ」が付くのはなぜ?
以前の記事でも触れたことがあるのですが、日本では「カラス」「スズメ」と名の付く植物が多く存在します。カラスとスズメではもちろんカラスの方が大型であり、植物の場合は同じ仲間のうち、
・花や実が相対的に大きい種類には「カラス」
・花や実が相対的に小さい種類には「スズメ」
の名が付けられたと言われています。
実際のところ、オキナワスズメウリの由来であるスズメウリの仲間には、もう少し大型の実を付けるカラスウリもあります。カラスウリは東北以南に広く分布するため、もしかしたらオキナワスズメウリよりよく知られているかもしれません。
▲カラスウリの実(参考)