アタマの中は花畑

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【梔子】クチナシの花の香りが強いのはなぜ?

最近、ジョギングの際にクチナシの花の香りを感じるようになりました。いつも深夜帯にジョギングしているため、(辺りが暗くて)花をしっかり観察することはできないのですが…香りだけでも十分に楽しむことができます。

クチナシと言えばやはり花の香りを連想される方が多いと思うのですが、他の花に比べて強い香りを放つのには何か理由があるのでしょうか?

 

 

クチナシの概要

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科・属名:アカネ科クチナシ属

種別:常緑低木

花色:白

花期:6〜7月

原産:東アジア

別名:エンプク、ガーデニアなど

花言葉:とても幸せです、喜びを運ぶなど

◎特徴:

日本を含む東アジア原産の常緑低木で、日本では中部〜沖縄地方にかけて分布しています。一重咲きと八重咲きの2系統があり、園芸用としては後者がよく植えられています。一方で秋に橙色の果実を付けるのは一重咲きの品種のみで、こちらはは漢方薬(山梔子:さんしし)のほか、黄色の天然着色料としても利用されています。例えば黄色いたくあんの中には、クチナシを使って着色しているものもあります。

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名前の由来は?

クチナシという名前の由来には諸説あり、調べてみたところ以下の説が有力なようです。

・果実が熟しても裂けないため、「口がない実」という意味から口無し=クチナシとなった説

・果実の先端に付いた萼を鳥のくちばし(口)、果実を梨に見立てて、口梨=クチナシとなった説

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▲クチナシの実(参考)

 

ということで、私であれば迷わず「クチナシ=口無、口梨」と書いてしまいそうですが…実際には漢字で「梔子」と表記します。クチナシは漢名で「山梔(さんし)」と呼ばれており、日本ではこれが転じて「梔子」になったと言われています。

 

クチナシの花の香りが強いのはなぜ?

冒頭でも触れたとおり、クチナシの花と言えば甘い香りを連想される方が多いかと思います。香りの主成分はベンジルアセテート、リナロール、リナリルアセテート、ターピネオールなどで、ジャスミンやライラックの香りにも似ています。

その特徴からジンチョウゲやキンモクセイと並んで「三大香木」と呼ばれることもあるようですが、なぜ他の花に比べて強い香りを放っているのでしょうか。

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▲ジンチョウゲ(沈丁花)の花

 

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▲キンモクセイ(金木犀)の花

 

こちらも調べてみたところ、どうやら虫を誘き寄せるために強い香りを放っているようです。クチナシの場合は夜行性の蛾などに受粉を手伝ってもう必要があるため「暗い夜でも確実に受粉できるよう強い香りを放っている」という説が有力です(※諸説あります)。そのためクチナシの花の香りを1日の中で比較した場合、日中に比べて夜間の方が強いと言われています。

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ここで冒頭の話に戻りますが…深夜のジョギング中にクチナシの香りに惹かれたのも、クチナシの策略通りだったのかもしれませんね。


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