先日、近所のスーパーでとうもろこしが安売りされていたので1本購入してきました。我が家では2019年と2020年にそれぞれ違う品種を栽培したことがありますが、ここ3年ほどは育てていません。息子達(特に長男)からは畑でとうもろこしを収穫してみたいと言われているので、来年あたりに一緒に育ててみようかなと思っています。
◎2019年の記事はこちら
◎2020年の記事はこちら
【総集編】グラスジェムコーンの育て方〜種まきから収穫・実食まで〜 - アタマの中は花畑
今回購入したとうもろこしは上部が切られていたのですが、皮を剥くと中からたくさんの「ひげ」が出てきました。とうもろこしではお馴染みのひげですが、その正体は一体何なのでしょうか。
とうもろこしの概要
科・属名:イネ科トウモロコシ属
種別:一年草
花色:─(花弁なし)
花期:5〜8月
収穫期:6〜9月
原産:地中海沿岸
別名:トウキビ、コーン、ナンバンキビなど
花言葉:財宝、豊富、洗練など
◎特徴:
米・小麦と並ぶ世界三大穀物の1つで、日本へは16世紀に伝わったとされています(※本格的に栽培されるようになったのは明治時代の北海道開拓以降)。日本で一般的に食べられるスイートコーンは甘味種と呼ばれる品種で、他には以下が挙げられます。
・フリントコーン(硬粒種)
→食用、飼料用、工業用など用途が広い。
グラスジェムコーンもここに含まれる。
・ポップコーン(爆裂種)
→前述のフリントコーンの変種。
ポップコーンの原料としてもお馴染み。
・フラワーコーン(軟粒種)
→やわらかくて粉に挽きやすい。
・デントコーン(馬歯種)
→コーンスターチの原料として知られる。
飼料やバイオエタノールの原料にも。
・ワキシーコーン(もち種)
→「もちとうもろこし」とも呼ばれる。
とうもろこしの「ひげ」の正体は?
冒頭で触れたとうもろこしの「ひげ」の正体は長く伸びた雌しべで、絹糸(けんし)と呼ばれることもあります。つまり「雌しべ」という意味では他の植物と同じ器官のはずなのですが、なぜとうもろこしの絹糸だけこんなに長いのでしょうか?
その理由は「受粉の確率を高めるため」だと言われています。とうもろこしは風媒花(ふうばいか)と呼ばれる植物で、その名のとおり風の力によって受粉します(※受粉にあたり虫を誘き寄せる必要がないため、とうもろこしは花弁を持たないとも言われています)。一般的にとうもろこしの雄花(雄穂)は株の上端、雌花(雌穂)は株の中〜下段で開花しますが、これも風媒花の性質が関係しています。風が吹くと雄穂が揺れて花粉が飛び、重力により雌穂の方へ落ちていきます。この際、雌しべ(絹糸)を長く伸ばしておくことで確実に花粉をキャッチし、受粉の確率を高めよう…というわけです。
なお絹糸と実の数は全く同じで、1本の絹糸につき1個の実が付きます。そのためトウモロコシの皮を丁寧に剥くと、1つ1つの実から絹糸が伸びていることがわかります。
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とうもろこしのひげは食べられるの?
ここまでの内容から、とうもろこしのひげが「受粉のために長く伸びた雌しべ」ということがわかりました。一般的な花の雌しべであれば受粉後すぐに落ちてしまいますが、とうもろこしの場合は食べる直前まで「ひげ」として残っています。せっかくなら有効活用してみたいところですが…実際のところ、とうもろこしのひげは食べたりできるのでしょうか?
調べてみたところ、とうもろこしのひげには食物繊維・カリウム・ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれており、茶色く変色していない部分であれば美味しくいただけるのだそうです。代表的なところでは、天ぷらやサラダのレシピが何件か見つかりました。
このほか、漢方薬(南蛮毛)やお茶(とうきび茶)の原料などとしても幅広く活用されています。