◎前回の記事はこちら
【筏葛】ブーゲンビリアの花色について〜花弁の正体は苞と呼ばれる葉だった!?〜 - アタマの中は花畑
ここまで4回連続でお送りしてきた「ハワイ旅行シリーズ」も、今回で最終回になりそうです。最後を飾るのは「旅行中によく見かけた花」というよりは、「旅行中によく見かけた食材」に近い位置付けです。旅行中に食べたスイーツと言えばパイナップルやグアバなど、いかにも南国らしい果物の味が多かった印象なのですが…その中に「ウベ」と呼ばれる聞き慣れない味がしばしば含まれていました。
▲ウベ味のスイーツ(※掲載写真はイメージです)
紫色の見た目、そしてその名称から「ムベ」を連想してしまうのですが…ハワイでムベが採れるなんて話は聞いたことがありません。では「ウベ」と呼ばれる謎の味は、一体どんな植物を原料としているのでしょうか?
◎ムベの概要についてはこちら
【ムベとアケビ】似ているようでちょっと違う!?両者の違いについて - アタマの中は花畑
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ウベの概要
ウベの正体は、紫色をしたヤムイモの一種です。「ヤムイモ」であれば、地理の授業などで耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。まずは、そんなウベ(ヤマイモ)の概要についてご紹介したいと思います。
科・属名:ヤマノイモ科ヤマノイモ属
種別:つる性多年草
花色:(品種により異なる)
花期:(品種により異なる)
収穫期:(品種により異なる)
原産:インド東部〜インドシナ半島域
別名:紅山芋、ダイジョ(大薯)、ヤマノイモなど
花言葉:恋の溜め息、気長など
◎特徴:
ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属するつる性多年草のうち、塊根を食用とする品種の総称です。ヤムイモ(またはヤマノイモ)はあくまでも総称であり、そのような名前の固有品種は存在しません。熱帯地域を中心に約50品種が栽培されており、今回取り上げているウベをはじめ、日本で流通している自然薯もその代表格です。
また、ウベとはフィリピン語(タガログ語)で「ダイジョ(大薯)、紅山芋」を意味します。ウベの主な生産地はアジア〜オセアニアの熱帯地域で、日本では沖縄県などで栽培されています。
ウベが紫色なのはなぜ?
「紅山芋」という別名のとおり、ウベと言えば濃い紫色が特徴です。そのためウベ味のスイーツと言えば紫色を連想される方が多いのではないかと思いますが、この色合いは一体何によるものなのでしょうか?
本ブログでもしばしば登場していますが、ウベの紫色はアントシアニンと呼ばれる色素によるものです。ブルーベリーや紫キャベツなど、紫に近い色合いを持つ植物には大抵アントシアニンが含まれています。アントシアニンは強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、眼や身体の老化防止に効果を発揮します。
ウベと紅芋・紫芋との違いは?
ウベに似た食材として、紅芋や紫芋が挙げられることがあります。実際のところ、ウベと紅芋・紫芋にはどのような違いがあるのでしょうか?
以前投稿した記事からの引用になりますが、それぞれの主な違いは以下のとおりです。ざっくり言えば「ウベと紅芋は山芋の仲間、紫芋はサツマイモの仲間」ということになります。なお、この手の比較でよく登場するタロイモはサトイモ科に属する植物の総称で、日本で言えば「里芋」の仲間になります。
◎ウベの特徴
・ヤムイモの一種(ヤマノイモ科ヤマノイモ属)。
・中身が赤紫色で、紫芋よりも甘味が強い。
・紫芋に比べて粘り気が強い。
◎紅芋の特徴
・ウベの別名。
・主な特徴はウベと共通している。
◎紫芋の特徴
・サツマイモの一種(ヒルガオ科サツマイモ属)。
・中身が紫色で、紅芋よりも甘味がやや弱い。
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