先日、近所でムベが熟しているのを見かけました。ムベといえば秋の味覚の一つで、紫色の皮に包まれたゼリー状の果肉が甘くて美味しいですよね(種を取り出すのに苦労しますが…)。
さて、紫色の皮にゼリー状の果肉が特徴の秋の味覚…というとアケビを思い浮かべる方も多いかもしれません。実は私の実家にもアケビが自生していたことがあり、私もどちらかといえばムベよりもアケビの方が馴染みが深かったりします。
今回は、見た目がよく似たムベとアケビについて、それぞれの特徴や違いをまとめてみたいと思います。
ムベの概要
科・属名:アケビ科ムベ属
種別:常緑つる性木本植物
花色:薄黄
花期:4〜5月
収穫期:10〜11月
原産:日本・中国
別名:トキワアケビ、クワアケビなど
花言葉:愛嬌など
◎特徴:
日本や中国を原産地とするつる性植物で、日本では関東以西の暖かい地域に分布しています。秋になると紫色の実を付け、種子の周りに付いた半透明の果肉は食用にもなります。このほか、春の新芽も山菜として重宝されます。
アケビの概要
科・属名:アケビ科アケビ属
種別:落葉つる性木本植物
花色:紫
花期:4〜5月
収穫期:9〜10月
原産:日本・中国
別名:木通など
花言葉:才能、唯一の恋など
◎特徴:
アケビ科アケビ属に属する植物の総称で、代表的な品種としてはアケビ(小葉が5枚)やミツバアケビ(小葉が3枚)などが挙げられます。日本では北海道を除く地域に広く分布しています。ムベと同様に紫色の実を付け、種子の周りの果肉は食用になります。春の新芽が食用になる点もムベと同様です。
ムベとアケビの違いは?
同じアケビ科に属し、見た目もよく似ているムベとアケビですが…両者の違いは主に3点あります。
①冬に落葉するかどうか
ムベは常緑つる性木本、アケビは落葉つる性木本です。そのため冬になるとアケビは落葉しますが、ムベは青々とした葉が茂ったままです。
②花の見た目や色
どちらも4〜5月に開花しますが、見た目や色が異なります。ムベの花は薄黄色で、花弁は細長く反り返っています。その見た目はバナナの皮のように見えなくもないです。一方でアケビの花は紫色で、花弁は丸みを帯びています。花だけ見ると全く違う植物のように感じられますね。
▲ムベの花
▲アケビの花
③完熟した時の実の割れ方
そして3つ目の見分けポイントは完熟した時の実の状態です。アケビの実は縦方向に大きく裂けますが、ムベの実はほとんど裂けることはありません。そのためムベの実を食べる際は、ナイフ等で2つに割る必要があります。
今回私が見つけたムベは他の方の敷地内に生えているものなので、もちろん食べることはできないのですが…いつかムベとアケビの食べ比べもやってみたいものです。