アタマの中は花畑

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【犬槙】イヌマキの実、食べているのはどの部分?

先週末、家族で訪れたキャンプ場の敷地内でイヌマキと思われる樹木の実を見かけました。木の実好きな我が家の息子達もすぐに見つけ、2色に分かれた実を物珍しそうに眺めていました。

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(この日は食べませんでしたが)写真の赤い部分は熟せば美味しくいただくことができます。一見すると変わった形の実ですが、私達が食用としているのはどの部分なのでしょうか?

 

 

イヌマキの概要

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科・属名:マキ科マキ属(イヌマキ属に分類されることもあり)

種別:常緑高木

花色:─(花弁なし)

花期:5〜6月

原産:日本、中国、台湾

別名:マキ、クサマキなど

花言葉:慈愛など

◎特徴:

日本、中国、台湾などを原産とする常緑高木で、日本では関東〜沖縄地方にかけて分布しています。雌雄異株のため、木によって雌花のみを咲かせる雌株と、雄花のみを咲かせる雄株の2種類に分けることができます。また強風や潮風に強く、防風林として植栽されることもあります。

同じく園芸用として植栽されるラカンマキによく似ていますが、ラカンマキはイヌマキより樹高が低く(※イヌマキは高木、ラカンマキは小高木)、かつ葉が小さく尖っていることから区別することができます。

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▲ラカンマキ(参考)

 

名前の由来は?

以前の記事からの引用になりますが、名前にイヌが付く植物の多くが「元の品種より劣る、有用性がない」という意味合いを持っています(※オオイヌノフグリなど、犬そのものが由来となった品種も存在します)。イヌマキに関しても例外ではなく、マキ(※)に比べて木材として劣るとなどからその名が付けられたと言われています。

※ここでは、かつて真木とも呼ばれた杉や、ホンマキとも呼ばれるコウヤマキを指します。

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なお、イヌマキは木材として全く使えないのか?と言われれば実際はそうでもありません。湿気に強いことなどから木材としても優秀で、風呂桶のほか、沖縄県では高級建築材として扱われています。またイヌマキには独特の香りがあり、シロアリによる食害を防ぐ効果も期待されます。

 

食べているのはどの部分?

イヌマキは赤〜紫色に熟した部分を食用とし、私自身も幼少期に何度か食べたことがあります。一見すると果肉だと思ってしまうこの部分ですが、実は花托と呼ばれる部分が膨らんだものであり果肉とは異なります。

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本来の果実は先端についた緑色の部分であり、私達が食用としている部分は偽果(ぎか)とも呼ばれます。偽果を持つ植物としてはイヌマキのほか、イチゴやカシュー(カシューアップル)なども挙げられます。イヌマキの場合は果実の下に偽果を付けておくことで、鳥類などが偽果を食べた際に果実も一緒に運んでもらうような仕組みとしてします。

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▲カシューの花托(カシューアップル)

 

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イヌマキ 0.8m 15cmポット 苗